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トップの考えを全社員が生の形で聞くべきか

やっと、アサヒビールの奇跡を読み終えた。

樋口さんが社長になってからの話で、表題のようなことが起こっている。トップの考えを全社員が生の形で聞くべきだということで、月一回の全体朝礼をやり始めたということであるが、ここまでなら、やることは可能だろう。いろんなところに支店とか支社がある会社で全員を集めて朝礼なんてできるわけではなく、単に本社の朝礼に”そこの”社員を集めて朝礼をやるだけであり、全社員に生の声を発すると言うことではない。

ここからが、樋口さんの凄みで、全社員に聞かせるためにビデオを撮り放送した。

ここまでなら、まだなんともない話だけど、なんとそのビデオは、無修正にしたということである。当時の広報部長が心配して編集したビデオを作り、全社に送ったということだが、それを怒り
「これからは消さなくていい。私が喋った事は全部社員に聞いてもらってかまわん!」と言ったそうである。

会社を立て直すには、これくらい凄みがなくてはできないし、社員一人ひとりが経営のことを分からなければ、同じ方向には向かないと思う。

翻って自分の会社のことを考えてみると、明らかに、今は乱世です。

そういう時だからこそ、いやなこともつらいことも社員にはしっかり伝え、経営するべきです。思い切ったことができるのは、こういうときだからであり、綺麗ごとを並べても何もできません。

また、その反対につらいつらい、大変だ大変だと言っても、何も起こりません。そんなこと言ったら社員は働く気なくします。

ちゃんとした経営は、どんなつらいときでも必要なところには、ちゃんとお金を使います。アサヒビールのこの本を読んでみて感じたのは、広告宣伝費は惜しまなかったことです。とかく費用対効果が図れないことで削りやすい広告宣伝費を削るどころか上乗せして進んだことは、社員を元気付ける面でも非常に効果的だと思います。

意味のある広告宣伝費は、社外のみならず社内も元気付けると思っています。その重要性を分かる人が本当の経営者ではないでしょうかね。

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