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悪魔なジョブズと神のジョブズ

アップル関連の書籍は何冊か読んだが、

アップルとグーグル
iPhone衝撃のビジネスモデル

スティーブ・ジョブズその人の話となると読んだことがなかった。

そう、アップルの創始者であったスティーブ・ジョブズがアップルをやめ、そして復帰し今に至るということがよく分かっていなかった。

アップルという会社には、相当に興味を持っていたが何故かちゃんと知らなかったということである。

もう、覚えていない人も多いだろうけど、10数年前、アップルのOSはアップルのパソコンだけに搭載されていたわけではなく、日本で言うと、パイオニアのパソコン(確かそうだったと思う)にも搭載されていた。パイオニアは、今はパソコンを発売していないので、そんなこともすっかり忘れていたが、確か僕の記憶ではそうなっている。
 

 
そのパイオニアのパソコンは、他のパソコンとは違い、音楽に強いようなパソコンであったような気がする。

この当時、アップルの業績は低調で作ったOSを自社のパソコンだけで搭載するにはシェアを取れないための販路拡大という感覚だったように思う。

それが、いつからか、他社のパソコンに搭載されたMACというのはなくなる。

さて、この本、「スティーブ・ジョブズ 神の交渉力」であるが、前半を読むと、こんな男とは絶対仕事したくないと思う。ところが、後半になると、癖があるが是非仕事を一緒にしたいと思う。

と言う不思議な書である。まるで、二人のライターが書いているような感じでもある。


トップにしかできないこと、トップだからこそできることがある。それをしないトップに率いられた会社は、どんなに現場が頑張っても、成長に限りがあるだろう。
スティーブ・ジョブズは「この交渉はなんとしてもものにしたい」となれば、いかに困難でも、みずから乗り出し、みずから交渉に当たる。必要な武器も自分で考え、自分で準備する。交渉が優位になるはずだ。逆に言えば、そこまでの覚悟と自助努力があって、はじめて難交渉にも勝機が見いだせるのだ。

アップルと言う商標でのビートルズとの争いとかiTmsを始めるときの音楽業界との話し合い、自分が経営していたネクストという会社の売却など、そのエピソードは多くある。


20代で作ったアップルという会社を、自分がスカウトしてきた社長に追われやめさせられ、持っていたアップルの株もその時1株をのぞいてすべて売却し、アップルから完全に身を引き、その後買った会社のネクストとピクサーズでは全く利益がでない時期が長く続くという苦難の時代を過ごしている。

しかし、ピクサーズは、リストラをするとともに、ディズニー社と組み「トイ・ストーリー」のヒットにより、映画界でも成功を収める。

そして、経営が悪化したアップルから声がかかり、暫定CEOとして復帰する。

僕は、当時を覚えていて、何で、”暫定”なのか不思議でならなかったが、それもこの本を読めば分かる。

スティーブ・ジョブズとアップル関連の書物は多く出ていますが、これはかなり面白い書籍です。

スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)
竹内 一正

経済界 2008-05
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