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おもしろく こともなき世を おもしろく

ガンバ大阪の西野監督は名将ではないか。

サッカーと言うのは、試合が始まれば選手のイマジネーションに多くを依存するスポーツとなる。このあたりはベースボールとかアメリカンフットボールとかとは大きく異なる。ベースボールなんて下手すると一球一球に監督が指示を出すことも可能である。アメリカンフットボールにしても、攻撃の時のオプションは選手が集まり変えられる。ここで、監督が指示を出す。
それに対し、サッカーは常にボールが動いているからその時々に監督が指示を出すなんてほとんど不可能である。
その試合中、監督の意志が伝えられるのは、3人の交代枠の時だけだと言っても良いぐらいだと思う。

サッカー天皇杯の準決勝が今日行われた。

ガンバ大阪と横浜Fマリノスの試合が国立競技場で行われていたが、ガンバ大阪は、ACLクラブワールドカップなど試合続きで疲労が蓄積した上に、二川とか佐々木とかのレギュラーを故障で欠き、また、遠藤までも足のけがで万全でないという状況であった。
 

試合は、終始マリノスが押していた。いつ点が入ってもおかしくない展開となる。
前半、何とか0対0でしのいだガンバが、後半最初にフォワード播戸を下げ寺田を入れる。播戸は前半唯一惜しいシュートを放った選手である。惜しくもゴールポストに跳ね返されて点にならず。
播戸の動きだけ見れば悪いとは思えないが、中盤を支配されていたことに対してチーム全体の動きを整えるために寺田を投入したのだろうと思う。

ところが、見ているとうまく機能していると思えない。

そこで、西野監督は、攻守の要、遠藤を諦め倉田を入れる。倉田って二十歳ぐらいの選手であり、たとえ遠藤が怪我だとしても、遠く及ばないだろうと思っていた。

ところが、この倉田の投入からガンバの動きが変わる。倉田ってボールを持つことができる。それで相手選手を引きつけることでマークがずれチャンスが生まれることとなる。

試合は、0対0という点が入らないと言う点では面白くないが、ボールが動きまわりシュートまでいくので、とても引き締まった面白い試合となる。

試合は、延長になり延長後半、播戸に変わり入れた寺田から山崎へのパスで1点を入れて準決勝に勝利する。


遠藤を代えるというのは、相当に勇気がいるのではないかと思う。
どちらかというと、日本人というのは、誰彼と心中するという気持ちで任せた。なんてこと言って泣かせる監督も多いが、それは、きっとダメなのではないかと思う。その時々のベストは布陣で試合をすることこそ監督のつとめではないかと思う。


そういう面で、西野監督って言うのは凄い監督だなあと思う。
日本代表監督の岡田さんより上ではないかと思うのだけど。


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