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残り10分まで名勝負だった、全国高校サッカー決勝。

全国高校サッカー決勝。

鹿児島城西(鹿児島)VS広島皆実(広島)。

大会屈指のFW大迫勇也を擁する鹿児島城西は圧倒的な攻撃力で決勝まで上がってきた。対する広島皆実は準決勝まで1失点という守りのチーム。
試合は、鹿児島城西がどれだけ点を取って優勝するかという感じになっていた。

ところが、前半から広島皆実が攻め続けた。攻めながらも点が入らない広島に対し、最初の決定機に大迫が個人技で1点をこじ開ける。
これで、鹿児島城西の楽勝ムードと思ったら、広島皆実は綺麗に外から攻め2点をもぎ取り逆転する。

後半に入り、鹿児島が1点を返し同点に。

ものすごい試合になってきた。
 

そして、その後どちらが点を取るかと思っていたら、広島皆実が右サイドバックのセンタリングをヘディングであわせる。

ところが名勝負は、徐々に輝きを失っていく。

何と後半30分ぐらいから広島皆実は全く攻めようとしない。
コーナーもフリーキックも回して時間稼ぎに徹する。

そりゃあ、トーナメントだし、勝たなければ意味がないかも知れないけど、そこで回すか!!と言う試合を行う。さすがに後半も残り3分とかになったら時間稼ぎも許すが、まだ10分以上ある時からそんなことしてどうするの?もう1点取るどん欲さが必要じゃないの?せっかくいいボール回しして攻めていたんだから・・・・と残念な決勝戦だった。


まあ、それはそれとして、今日の試合の中継は最初から最後まで鹿児島城西ひいきの放送だった。放送する側としては、大迫勇也が大会新記録となるゴールをあげて優勝することが、シナリオなんだろうけど、高校生のスポーツ放送としては、もっと中立でいいのではないかと思う。

大迫はさすがにすごい選手だとは思うけど、鹿児島城西は私立で広島皆実は県立なんだから、広島皆実こそもっと褒めてもいいと思うな。


この高校サッカー。既に高校生の世代での日本一を決める大会でない。この世代の日本一は圧倒的な力でプリンスリーグで優勝した浦和レッズユースだ。
選手の質と言うことからは、今日の決勝戦で戦った選手のうちJリーグに行くのが二人だけということからも、既にそのような大会なんだなあと思う。

じゃあ、この高校サッカー選手権は今後どうなのか?と言うと、僕は残して行くべきだと思う。
サッカーをする全ての子供たちがJリーグのユースに行けるわけではないのだから、サッカーの底辺を広げて行くためには必須だと思う。

それに何にしても、多くの観客が見に来るのは、ユースでは無理があるし、都道府県代表としての応援も高校サッカーならではだと思う。