今日は市民ホールにダニエル・カールさんが来たので見にいきました。テレビに出ているのを見たことがあり面白い人だと思っていたのでした。
出る前に紹介されていたのですが、アメリカ出身の彼はもう30年ほど日本にいるのですね。
紹介された後、当のカールさんが登場しました。
まずは自分の生い立ちについて話します。高校生の頃、1年間留学で日本の奈良にいたこと。奈良の智弁学園に通っていたそうです。
大学生になり、また日本に留学します。その時は、大阪と京都と佐渡島に住んだそうです。最初、標準語と思っていた奈良の言葉が標準語ではないことは大阪に住んですぐにわかったそうですが、そうは言ってもそれからの京都の暮らしで、まあ関西の言葉を覚えたのだから大丈夫だと思ったそうです。
ところが佐渡島で一転します。佐渡島では80歳ぐらいの人に弟子入りして勉強したそうです。ネィティブな佐渡弁に戸惑ったそうですがなんとか佐渡弁も習得します。
日本での留学が終わりアメリカに帰り就職の時を迎えますが、その当時アメリカは今をしのぐ就職氷河期だったそうです。そんな中でも彼は別にネガティブになることはなかったそうです。日本に行けば何とかなると思ったと。
そして、日本の文部省の試験に合格して英語の教師になります。ただし、日本のどこに行けるかは分からなかったそうです。
そして行くところが決まります。
山形・・・・・
周りにいた人が言います。
あそこ大変だよ。言葉通じないよ。
カールさんは、関西の言葉も佐渡の言葉も何とかなったので、そんなことは大丈夫だと思い日本にきたそうです。
そして、山形へ。
カールさんは、山形の特定の高校で教えるわけではなく、一人で全山形の中高校に回って教えたそうです。だから机は県庁の中にあったそうです。
山形に赴任した最初の日、ちょっと時間があったので商店街を歩いたそうです。すると、いきなり耳に入ってきた言葉が、
「んだ」
「んだ」
だったそうです。
関西の大学に行っていた時、日本語には「ん」で始まる単語はないと教わったそうで実際に辞書を調べても「ん」で始まる単語はないので、これは何かの間違いだと思ったそうです。
そんなことはないと思って行った県庁。
ところが、そこのドアを開けたら信じられない光景が・・・・30人ぐらいいるところで半分ぐらいの人が電話を取っていて、
「んだ」
「んだ」
「んだ」
という言葉がこだましていたという・・・
唖然としていて、暫くして、その当時の上司に聞いたそうです。
「んだ」ってどういう意味ですか?
ああ、「んだ」は「ん」と「だ」で分けるんだよ。「だ」というのが「です」と言うのが一番近いかな。それで「ん」だけど「ん」を無理くり訳すと「そう」が近いかな。だから、「んだ」は「そうです」と言う感じかな。
と言うことを聞いて「んだ」と言う言葉の疑問は解けたそうです。
「んだ」の対義語は、「んね」と言うそうです。
そう言う言葉で引きつけながらカールさんの講演は進みます。
日本の良さを話してくれますが、一番印象に残ったのは、お国自慢をしましょうと言うことでした。ポジティブシンキングというのがありますが、それを実現するためには、お国自慢がいいですと言うことでした。自分が生まれたところ、住んでいるところを自慢しましょうよと。
そうだなあと思います。僕の生まれてところはこんなに良かったんだよ、ということは考えたら出てきます。それは難しいことではありません。
日本人のいいこととして、謙遜という言葉も上げていました。お国自慢をさせないのは、この日本人の謙遜という気持ちです。謙遜・・・・とても良い日本人の心根ですが、あまりに何でもそれをやるとかえってマイナスにもなります。
と言うことを外国人であるダニエル・カールさんに言われるととても説得力があります。
お国自慢・・・やり始めようかと思います。
その他、日本人がもっと誇っていいものとして交通機関と教育ということを話していました。日本のどこでも公共交通で行くことができる、そしてJRと地下鉄の時刻の正確性は他の国ではありえないということでした。1分と違わない電車の時刻は世界の中では奇跡的なことだそうです。僕なんて、そんなこと当たり前になっていて5分遅れたぐらいでいらいらしたしていますが、これからはそういうことは思わないようにしようと思います。
教育問題は、日本人の識字率の高さと教育を受けたい人は誰でも受けられるなんて凄い事なので、日本の教育は悪いとばかりは言わないようにしましょうと言うことでした。昔から識字率の高さは有名です。そしてそれを当たり前のように思っていますが、日本人としてそれをもって誇りに思いましょう。
そう言う講演を約90分聞きましたがあっという間に時は過ぎていきました。
ダニエル・カールさんの講演が終わると、その後は、桶川高校吹奏楽部の演奏がありました。桶川高校は東日本吹奏楽大会で金賞を受賞したそうです。
ハッキリ言うとあまり期待はしていなかったのですが、彼女(彼)たちの演奏は一言で言うと”Good”です。昔の吹奏楽部の印象しかなかったのですが、そんなことはあっさりと覆してくれます。映画スイングガールですか・・・・彼女たちは疾走していくのです。
ソロがあったりブラスバンド的な動きがあったり・・・何と言っても彼女たちの笑顔がいいのです。ソロは舞台の前におもむろに来て演奏します。それが終わったときのとびきりの笑顔は最高と思います。
演奏曲の合間合間には、部員による紹介がありますが、パーカッションをやっている子の「これからもチャレンジしていきます」、というのが印象的でした。
高校生の演奏でしたが、元気をもらいました。
ありがとう桶川高校吹奏楽部です。
3月20日に桶川市民ホールで定期演奏会をやるそうです。