Bookrock

おもしろく こともなき世を おもしろく

ちょっと良い話

ボルダリングに行った後必ず行くところがある。そこは食べ物やサン(何かニュアンスが違うけど他にいい言葉がない)だけど、お客さんがいっぱいでない限り行くようにしている。

先週もボルダリングが終わった後に行ってきた。


ランチも最後の2時前。お客さんが二組と一人。

ニラレバのランチを頼む。

そのうち一人来てカウンターに座り、それから一組のカップルが来る。

僕は一人でニラレバランチを食べていたんだけど、そのうちに二組は食べ終わり帰る。

入る前からいた一人の人が帰り際に喋り始める。なんか以前聞いたような感じだなあと思っていたら、夜食べにきた時隣にいて少し話したトライアスロンを趣味にしている人だった。懐かしいなあと思いながら見ていた。

その人も帰り、僕の後に来ていた人たちも帰り僕だけになった。

それから、色々とお店のマスターとママと話しこんだ。
 

ここに来る人って何がしか他のお客さんとつながっているんだよね。何回か来た人に話してみるんだけど、そこで、ああ、あのお客さんとつながっていたんだなあということがいっぱいなんだよね。

インターネットを見てくる人って、1回きりの人がほとんどで、頼むのもなぜかパターン化しているんだよね。あれ頼んで、次にこれで、それからそれで・・・みたいな感じで。
料理が気に入っている人もいるんだろうけど、書いていたことと違うね、と言う感じが多いような気がする。そういう人ってなかなか二回見ることがないんだよね。

昔、本に出たことあったけど、その時は凄く多くの人が来たのよ。来たけど、あまり並ぶし、そういうのはお客さんにも悪いので、それから本に出るのはやめた。
その当時の本を読んできた人では何人かは常連さんになっているみたいだけどね。
本の特集がこのあたりの特集だったから、もともとここらあたりに住んでいる人が読んだと思うので、それからも何回か来てくれていると思う。

僕は、そういう話を聞いて。

そうだろうね、インターネットって全国・いや全世界の人が見ているのでなかなか常連さんのお客を獲得するのは難しいんだろうねと思うって、そういうことを言った。


インターネット広告が伸びてきて、他の広告媒体を抜いたと言う記事が最近あったけど、広告するものが何かで、ネット広告が有効かどうかは大きく変わるんだなあと改めて思った。

地域性を重視するものには、インターネット広告と言うのは有効どころか、下手をすると害でしかないかも知れない。あまりに広いところから集めると、今後常連化する可能性のあるお客さんをはじき出すことにもなりかねず、そうなったら短い期間の収益は上がっても長い眼で見ればマイナスになる。

そして、僕はもう一つ思ったことは、味覚は人それぞれだということ。

ここの料理でこれが一番です。なんてことは僕も書いたりするけど、それは、僕にとっては1番かも知れないけど、あなたにとっては10番かもしれないと言うこと。

そんなことは分かっているよと自分では当たり前のように思っていたけど、実は一般的には正しくなくて、

「ここの回鍋肉は最高です。一度食べてみてください」

なんてことを書かれたところに行き、その回鍋肉を頼んだら味が濃すぎたりして自分の好みに合わなかったとかして、そういう時、きっとその人は、書いているほどたいした味じゃないし、濃くして誤魔化していいるんじゃないの・・・なんてことを言ってしまうかも知れない。

おちまさと”のコラムを読むと、『振り幅』が大事だと書かれている。ここで言う『振り幅』はマイナスからプラスに持っていくと、プラスは普通のプラスではなく何倍にもプラスになっていくということであり、それゆえ振り幅は大事だと説いている。

その振り幅が、この『料理絶賛⇒自分が食べたら駄目』と言うのはマイナスの振り幅が大きくなることで、よけいにその店の印象を悪くする。

ということはネットの中で、料理を安易に絶賛するのはいけないのではないかと思ってしまった。


話は、そこのお店の話に戻る。

そこのお店の名前は、漢字がユニーク(と自分では思う)。

それで、「ここのお店の名前ってどういう意味ですか?」とそこに行き始めてから2年以上経つのに、始めて聞いた。

「これは、二人の娘の名前からつけたんだよ」

と言う事を言われた。

女性の名前という印象を持つ漢字ではなかったので、全くそういうことを思ったことがなく(どちらかと言うと、中国の三国志かなんか古い時代の言葉かと思っていた)、それがとても、ほのぼのとしていい話だった。