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福島原発。チェルノブイリのような危機的状況は起こらない。

再臨界は起こらない:吉岡律夫・(株)日本システム安全研究所
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1244

再臨界は起こらないと考える理由
原子炉、使用済み燃料プールの様子を含めて、「再臨界(原子力発電中のように核燃料の核分裂反応がどんどん進む状態)について」説明します。
そもそも今回の様な軽水炉と呼ばれる原子炉が臨界になるには、3つの条件が必要です。その3条件とは:
(1) 約1cm直径の核燃料棒が、約1.5cm間隔で並んでいること
(2) 核燃料の集合体が、水で満たされていること
(3) 制御棒が引き抜かれていること
この条件が全て揃わないと、臨界にはならないのです。
したがって、次の様なことが言えます。
*原子炉内の核燃料は制御棒で抑えている限り、臨界にならないでしょう
*使用済み核燃料は、水がない状態では臨界にならないでしょう
プール内の使用済み核燃料について、4号機の使用済み燃料はプールに水がないので、臨界になりません。目視でプールに水があるとの情報がありましたが、東京電力に確認した所、それは燃料が入っていないもう一つのプールの水でした。
*3号機のプールは水がありますが(水蒸気が上がっているので水があります)が、臨界になりません。それは、核燃料は適切な距離をあけて並べられていないと臨界にならないからです。
以上の理由から、私は福島原発で再臨界事故は、あり得ないと考えます。
 

「最悪シナリオ」はどこまで最悪か
~楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み~
環境エネルギー政策研究所 所長 飯田哲
http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf

【要旨】
・ 2011年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の事故が、この先に辿りうる最悪シナリオを検討したところ、再臨界と水蒸気爆発の可能性は否定できないが、核爆発やチェルノブイリ事故のような破滅的事象は、おそらく起こらないと判断できる。
・ したがって、首都圏や仙台などの大都市の避難勧告のような事態は、おそらく避けることができるものと判断できる。
・ ただし、最悪シナリオで放出される放射能は、これまで一時的に放出された放射能よりも桁違いに多い可能性があるため、状況の推移によっては、現状の避難範囲(避難20km、屋内退避30km)の再検討やヨウ素剤の配布計画、広範な地域で被曝を最小限に抑えるためのマニュアルの周知徹底などが必要と考える

(略)

・ 使用済み核燃料プールで燃料が溶融し,そこで原子炉臨界状態が出現するという再臨界現象はおそらくは起こらないであろう(ホウ素投入はないと安全側に仮定しても)。
・ 再臨界状態が起こるとすれば、その可能性は圧力容器内部の方が相対的に高い。ホウ素投入の効果はあるが、再臨界を抑止できると保障することはできない
・ 仮に再臨界が起きても、核爆発のように連鎖的・爆発的に広がるのではなく、せいぜいスパイク(瞬間的な臨界超過状態)を何度か繰り返す程度ではないか。
・ その場合、周辺の放射線量(中性子ガンマ線)は東海村JCO臨界事故のように瞬間的に高くはなっても、核爆発のように甚大な爆発被害が広がることはありそうもない。
・ 再臨界の有無に拘わらず、使用済み核燃料プールでの燃料溶融や圧力容器・格納容器における水蒸気爆発によって、これまでのベント(意図的な圧力開放)をはるかに超える放射能(核分裂生成物)の外部放出の可能性は否定できない。
・ ただし、圧力容器・格納容器の大爆発ではなく、構造上の弱い箇所の破損による瞬時放出に留まると推定される。そのため、黒鉛火災が何日も続いて放射能を大量放出したチェルノブイリ事故とは異なり、瞬時的な放出に留まると推定されるため、深刻な汚染地
帯はチェルノブイリ事故よりも限定的に留まるものと推定される。
・ したがって、首都圏や仙台などの大都市の避難勧告のような事態は、おそらく避けることができるものと判断できるのではないか。
・ ただし、最悪シナリオが生じた場合に放出される放射能は、これまで一時的に放出された放射能よりも桁違いに多い可能性があるため、状況の推移によっては、現状の避難範囲(避難20km、屋内退避30km)の再検討やヨウ素剤の配布計画、広範な地域で被曝を最
小限に抑えるためのマニュアルの周知徹底などが必要と考える。


サイエンス・メディア・センター(SMC)に書かれている情報です。

SMCについては、こう書かれています。

サイエンス・メディア・センターのミッション
サイエンス・メディア・センターは、「科学を伝える人を支援する」をミッションに掲げ、活動を始めます。
私たちは今、複雑に利害関係が交錯する社会に生きています。そしてこれには科学技術の膨大な蓄積が関係しています。この社会が持っている科学技術の知識の全てを、全ての人が、把握し、検討することは、不可能です。そして、個々の分野の専門家が、その分野の知識だけで問題を解決することもできません。
多くの人が、よりよい未来のために、科学情報を共有するために、私たちはサイエンス・メディア・センターをスタートさせます。




福島原発は、東京電力社員の懸命の努力や、自衛隊、都県の消防の方々の放水などにより、温度が下がっているようです。
原発の側で作業をされている方々には、本当に頭が下がります。


僕は、地震の数日後の水素爆弾の印象があまりにも大きかったので、原発は大変だと単純に思っていましたが、このSMCの記事や他の記事も読んでみると、チェルノブイリのようなことは起こらないようです。

福島原発ができたのは、なんと40年前です。

40年前の技術で、想定を大きく超えた地震と津波を何とか解決しようとしている日本の技術力って凄いと思います。