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スティーブ・ジョブズのイノベーションは発想の勝利

僕は、イノベーションと言う言葉が実は一番好きで(一番好きということに昨日気がついたみたいだけど)、よく使っています。

スティーブ・ジョブズは、イノベーターであると何度か書いたと思いますが、どういう意味でイノベーターなのかをツラツラ書いていこうかと思います。


パソコンは、昔、男の武骨な遊び道具でした。
だから、各社が競うのは、CPUの速さだったり、ハードディスクの容量だったり、メモリーの量だったりしたわけです。
そして、高速化を競っていたりしたわけです。
これはもう、車の速さを競うようものです。

そこに、美しさを、持ち込んだのがスティーブ・ジョブズです。

彼の追求は徹底的でした。
iMacは、発売当時は、その丸みを帯びたフォルムとスケルトンが脚光を浴びましたが、実はそんなに甘いものではなくて、パソコンを開けた中も整然と美があったそうです。
いつもは見えないところにも、妥協を許さないという姿勢があります。


これ、書いてみたら気がついたのですが、そもそもスティーブ・ジョブズはどんなに綺麗にしても配線とかが見えてしまう裏側なんて見られなかったかも知れません。iPhoneが電池交換さえできないのは、改造とかより、そもそも中の汚いところ(ジョブズにとって)、見られるのが許せなかったかも知れません。

僕なんて、パソコンは、中開けて、自分好みにカスタマイズできるのが楽しいし普通の感覚だと思っていたのですが、きっとジョブズはそうでなかったのでしょうね。


iPodは、それより前にMP3プレーヤーと言うメモリーに圧縮した音楽を入れて聞くガジェットがいくつのメーカーから出ていました。
しかし、当時のMP3プレーヤーは、形だけはMDプレーヤーや携帯型CDプレーヤーよりも小さかったのですが、アルバム一枚入れて聞ければ良いと言う発想はなんら変わりませんでした。

そこに、現れたのがiPodでした。

iPodは、一度に1000曲入ってまうと言う当時では考えられないものでした。
一度に1000曲ですから、天と地がひっくり返った状態です。
こんなに曲を入れていったいどうしたらいいものかと思ったものでした。

そこで、アップルはシャッフルと言う機能をさりげなくつけます。これで、アルバムを最初の曲から聞くという束縛から解放されます。
なんといっても、次に何がかかるか分からないのです。これで、曲の感じは大きく変わることになります。



ここで注目すべきは、iMaciPodも、特に目新しいテクノロジーを使ったわけではなくて、既存のテクノロジーとハードを合体してできたものということです。

でも、人は、これに新鮮に感じます。

cool!って。

どうしてか・・・・


iPodの次はiTunesです。

iTunesができるまでは、iPodと言えどもそこに音楽を入れるのには、物体としてのCDが必要でした。

ところが、iTunesはCDを過去のものにします。

そして、iTunesは、音楽の流通革命をもたらしました。

音楽業界は、在庫を抱える必要がなくなりました。

CDは、まだ世の中に存在していますが、なくても良くなりました。

iTunes音楽配信サービスは、発想としては昔からあったと思いますが、音楽業界は閉鎖的なため、それを行って成功するなんて誰も思わなかったと思います。
ただひとりスティーブ・ジョブズを除いて。

ところが、大成功を収めます。在庫リスクを負わないネット配信により、音楽の価格も破壊されていきました。



iPhoneは、スマートホンという携帯を広げて行ったわけてすが、スマートホンと言うものは、iPhone以前もありました。
但し、一部の人しか使っていませんでした。

それを爆発的に広げたのはスティーブ・ジョブズです。

徹底的に使い易さを追求し美しさを求めたため、多くの人に指示されました。



iPadも、このようなパソコンの総称であるタブレットPCは、以前からありました。
実は、WindowsパソコンにだってXPの頃からあったのです。

ところが、全く広がりませんでした。

でも、ジョブズにかかると、まるで魔法のように多くの人が使うようになります。

パソコンの利用用途の革命を起こしています。iPadは。



こうして見て行くと、スティーブ・ジョブズは発明家と言うよりプロデューサーと言ったほうがいいかも知れません。稀代のプロデューサーです。
 

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