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おもしろく こともなき世を おもしろく

こんなソニーに誰がした?

ある意味羨ましくもあります。

戦後の日本企業の象徴である、ソニーとホンダ。

うちの車はホンダだし、テレビはソニーです。

たくさん、この両社の本は読んだなあ。

ホンダは、今、軽自動車で一人勝ち状態です。Nシリーズが売れまくっています。

ソニー。

復活にはまだ時間がかかるんでしょう。中心となる商品を思い出せません。

元社員が分析する、ソニー凋落の原因とは?

この記事ではこんなことが書かれています。
 

―タイトルの「失われた20年」ですが、これは創業者のひとりである盛田昭夫さんが会社から完全に離れた1993年から約20年ということですね。
「そうです。私はソニーを3つの時期に分けて考えています。まず1945年から始まる『成長期』。創業者の井深大(いぶかまさる)さんと盛田昭夫さんが牽引していました。それが、1993年に大賀典雄さんが実権を完全に握るようになって第2期の『停滞期』が始まります。彼は仕事ができて自分の地位を脅かしかねない人を徐々に排除しました。しかし彼の周囲には、井深さんや盛田さんが見いだした仕事のできる人がまだたくさんいた。それで組織が回っていたわけです。
第3期が1996年から現在までの『衰退期』。出井(いでい)伸之さん、ハワード・ストリンガーさんが実権を握るようになり、彼らの周りから井深さんや盛田さんが選んだ優秀な人がいなくなります。ゴマスリ社員ばかり近づいてくるようになるのです」


ここらあたりは、他の本でも書かれていたことかなあと思います。ただ、大賀さんについては、賛否両論の幅が広いかなあと思います。

出井さんより後は、よく書かれた本て言うのを読んだ記憶はありません。

今の日本企業の取締役のありよう作っていったのは、ソニーが始めた社外取締役制だったり執行役員制だったりします。ソニーが始めたというのは、アメリカで行われていることを日本流でアレンジして導入した意味で。
社外取締役を多く入れるってことは、企業の透明性を持たせていいなあとも思っていたのですが、そんなに物事は簡単ではないようで。


―社外取締役が多いということは外に開かれた経営をしているということで評価する人もいましたが。
「とんでもない。ソニーの社外取締役制度は癒着の温床です。というのは、社外取締役は会長や社長が連れてくることができる。そして、取締役会のメンバー14名のうち社内の人間は2名でした。役員の人事権を握るのは『指名委員会』という5名の組織なのですが、そのうち2名が会長と社長で、社長が会長の子飼いだとしたらどうなりますか。会社の命運を決める役員任命権を会長ひとりで牛耳ることができる。これでは、集団指導体制の中国のほうがガバナンスがきいてますよ。


という見方もできるようです。確かにそうだとも思います。

所詮、制度というのはそれを活用する人によってどうにでもできるわけで、制度で人間を縛り切ることはできません。
結局は、人に帰結するのかと思います。


そうは言っても、制度作るの好きだからなあ、人って、とも思います。

永遠の課題ですね、これって。


ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望
原田 節雄

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