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掟破りの逆サソリ固め。でんぱ組.incのW.W.D

プロレスは相手の得意技をかけてはいけないという暗黙の了解があります。

これは、きっと今もあります。

昔、新日本プロレス黄金時代。

維新軍率いる長州力と正規軍の藤波辰爾の戦いはあまたの名勝負を生みました。

その試合の中で、藤波が繰り出した技が、逆サソリ固めです。

サソリ固めは、当時長州力の代名詞ともなった技の一つです。

アントニオ猪木に例えると、卍固めに匹敵するような技です。

誰も、猪木に対して卍固めができないように、長州力に対してサソリ固めはやってはいけない技でした。

ところが、藤波辰爾はその掟を破ります。

ただ、逆サソリは意味があって、長州がかける方向とは逆の方向にかけていたのでした。簡単に言うと、右利きのサソリ固めに対して、左利きの逆サソリ固めのようなものです。

アイドルの掟と言えば、いろいろとあるのでしょうが、僕が最近集中して聞いている、でんぱ組.inc。

茶髪はいるし金髪はいるしピアスの穴いっぱい開けているリーダーはいるしと言う、アイドル本道からすると、これでいいの?と言うグループです。

僕が一番好きなのは、最上もがさんです。

彼女は、自分のブログでこんなこと書いてます。

2011年12月25日に、
藤咲彩音と、最上もが、でんぱ組.incに加入しました。

あの日から、もう2年も経ったんだね。

ぼくがでんぱ組に加入した理由は、「生きるため」だった。

アイドルになりたい!目立ちたい!自分に自信ある!

そんな理由はなに一つありませんでした。

お金がなければ食べていけない。
お金を稼ぐには働くしかない。
そんなの当たり前のことだけど、気づくのに何年もかかり、親にたくさん迷惑をかけていた。

人と接するのが怖い、嫌われるのが怖い、傷つきたくない、だから出会わなければいい。そんな理由でぼくは外に出るのを拒んでいた。

でもそこに限度があることを、年を重ねていくうちに知った。

無理だと決めつけてたことが少しづつできるようになった。
人と話すこと、人前にでること、心から笑うこと、誰かのために動くこと。

友達もできた。

僕って言う一人称で語られてます。

W.W.D

前山田健一がでんぱ組のために書き下ろした曲。

アイドルの曲とは大きく一線を外しています。

掟破りです。

歌詞には、

 

いじめられ部屋にひきこもってた

ゲーセンだけが私の居場所だった

夢破れやぶれかぶれだった

 

から始まります。

そして

 

今ちっちゃいちっちゃいちっちゃいちっちゃいステージだけど

いつか でっかいでっかいでっかい世界にはばたいて

 

と夢を語ります。

 

狭いステージから世界を目指せ

伝えよう びりびりのでんぱ

どこまでも行ける 捨てるものなんかない

マイナスからのスタート 舐めんな!

 

生きる場所なんて どこにもなかったんだ

いまは 夢の ために 強く 放て!

でんぱパトス!

自分 じゃない 誰か のため 歌え!

でんぱビッグバン!!!

 

この歌詞をライブで見ると、思いっきり感動します。

普通のアイドルではないです。彼女たちは。

簡単に言ってしまうとカミングアウトしてしまった歌詞ですが、そんなことはどうでもよくて、この歌詞に向かい合って真剣に歌う彼女たちが、本当にいいです。

 

 
【生きる場所なんてどこにもなかった】でんぱ組.inc「W.W.D」Full ver. - YouTube

 

 

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