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管理職の心得

副題が、リーダーシップを立体的に鍛えるとなっています。

企業の管理職が、これまでにない変化の中で生き残っていくために必要な視点を、主として人と組織を預かる管理職としての立場に焦点をあてて、提示したものである。
本書の対象となる主たる読者は、言うまでもなく企業の管理職である。本書で示した視点を活かして、管理職一人ひとりが自分の姿を一歩立ち止まって見つめなおし、変化の担い手として生き残っていけるようリーダーシップを磨いていくことがここで目指したいゴールである。

はじめには、こう書かれてある。

じっさい、本書を読み進めていくと、数多くの例題が出てくる。
そこには、自分に当てはまる例も必ずあると思う。

 

管理職の仕事〜
その閉塞感と打開の糸口

業務課長を務める鈴木は、このところ何かとストレスを感じることが多かった。特にこの春、社長が交代し、全社的な優先課題として顧客志向の徹底という方針が示されてからは、これまでにはなかった組織内部の小さな問題が頻繁に起こり、その解決に振り回される日々が続いていた。
中でも時間を取られているのが、仕事のやり方をめぐる担当者間の軋轢への対応だ。問題は、たいてい「お客様のためだ。そこを何とか頼むよ」といった販売課からの新たな要求に端を発していた。

いきなり、今、自分が取り組んでいるようなことが出てきて、面食らってしまった。
これまでになかった顧客志向(いや、実際はあったのですよ、今までも。ただしそれが最優先ではなかっただけの話)、が前面に出てくると言うことは、これまでの考えでは解決できないことも多くなるのは事実。
考えの根底が変わるのですから、その根拠にしても理由付けにしても頭を変えなくてはならない。
既存の発送が使えなくなるので、ある意味負担は増えます。
裏返すと、だから面白いとも言えますが。

この本は、自分で買って、書き込みながら読み進める方がいいのではないかと思います。
ケースが多く出てきて、QAみたいなものもあります。チェックをしながら、自分の置かれた立場と、自分を客観視していくと、腹に落ちるのではないかと思います。


あとがきにはこう書かれています。

管理職をめぐる問題についても、理屈で考えれば当たり前だと理解できることも、本人の立場にたつとなかなか理解したとおりに実行できない。こうした状況を克服するためには、他人があれこれ言ってもはじまらない。仮に第三者から言われて一時的にできたとしても、継続性には疑問符がつく。ここで理解と実行の溝を克服するための一番のポイントは、本人が気づくことだ。
本書では、こうした認識から、管理職の心得として、何をすべきかということを直接振れることを意識的に避けてきた。そうではなくて、何をすべきかということを自ら考えるために有効と思われるようなさまざまな視点を示すことに焦点をあてようと試みた。というのも、人は視点が変わることで、新たなものの見方や考え方に効果的に気づくことができるからだ。



確かに、直接的に言われても、なかなか直面した問題の解決には至らないような気がします。

4478011826管理職の心得―リーダーシップを立体的に鍛える
大島 洋
ダイヤモンド社 2010-02-05

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