なぞの転校生。
その最終回。
なんというか。
SFドラマとして金字塔的終わり方だと思います。
このドラマの良さは、過剰な語り人がいないことです。
登場人物のセリフとカット割りで表現しています。
こういう演出は、ずっとテレビドラマでは実はなかったのです。
過剰な演出といらないストーリーテラー。
まるで幼稚な視聴者にたいする酷い仕打ちを最近ずっとドラマでは行っていました。
ところが、なぞの転校生はそういう過剰さをそぎ落としました。
見ている人の空想力に大きく依存するという、ある意味恐ろしいことをやっています。
ショパン。
が、このドラマを語るキーワードです。
ショパンがいない世界というのを初めて言うのは最終回の前です。
それまでは、分かる人にはわかるだろう状態です。
パラレルワールドって何?という回答は、ドラマ内ドラマと言う演出で語ります。
これも、とても不親切です。
不親切ですが、それがいいです。
わからない人は、何をやってもわからないし、そもそもしっている人にとっては、語りすぎるとしらけてしまいます。
このドラマ内ドラマ。
やられました。
うまいです。
CMの後、ドラマ内ドラマの種明かしを演出している風景を外から見た映像でやります。
そして、本当の最後。
パラレルワールドとは、なんぞや!ということがわかった時に、もっとひろがった世界を見せます。
パラレスワールドは、二重化ではないのです。
三重化であり四重化であり、無限化です。
隣の世界とその隣の世界は微妙に違います。
恋人だった二人が兄弟になったり。
親子だった二人がアイデンティカだったり。
最後、記憶を消され、元の時間に戻ります。
それさえ、分かる人には分かれ状態です。
凄い作品でした。
なぞの転校生。