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おもしろく こともなき世を おもしろく

銀翼のイカロスの感想文。

純国産の航空会社が破綻の一歩手前に。

破たん寸前のその会社の担当が、審査部から半沢直樹のいる営業第二部へ。

審査部は、破綻前の会社の面倒を見る部署。

そこから担当が変わったのはなぜか?

 

小説は、その最初からスピード豊かに進んでいく。

リストラを受け入れない航空会社。

年金基金も分裂して多くある労働組合も皆反対。

再建策はまとまらず。

担当変えになり、重い交渉をまとめ、再建策がやっとできたというそのすぐ後。

新たな政権をとった党の国交大臣が、いきなり私的タスクフォースを立ち上げ、そこで再建策を作ると表明する。

半沢が苦労して作った再建案は、一気に吹っ飛んでしまう。

ここから、怪しいコンサルタント、大臣、党の重鎮とあくどい役者が揃っていく。

そして、あの、金融庁のおねえ、黒崎も登場する。

 

なぜか銀行の情報が筒抜けになっている。

 

債権放棄は既定の路線で、何があっても覆るはずはないというコンサルタント。

物語は、意外な方向に向かう。

 

銀行の自浄能力はあるのか?

中野渡頭取はどうなるのか?

 

一気に読まずにいられない本です。

 

こんなに一気に読めた小説は、久しぶりだった。

 

やられたらやり返す、倍返しだ!は、今回も健在だった。