今年の大河ドラマ、花燃ゆが不調です。
僕的には、結構面白く見ているのですが、どうも視聴率が低いこともあって評価も低いのです。
そこで、女性が主役で明治維新の時代を扱った、篤姫と比べてみます。
以前書いたエントリー、篤姫がなぜ面白いのかを考えた10の理由と比較してみます。
1.大奥の話である
大奥って面白いんですね。ボクは今まで一度も大奥が舞台になったドラマとか見たことありませんでした。
花燃ゆは、明治維新の志士の側から描いた作品であるため、幕府の中のこと、特に大奥はおそらく出ないでしょう。
2.大人になっていく
篤姫も小松帯刀も大久保利通も西郷隆盛も大人になっていきます。少年少女の頃から描かれていき、激動の日本の中でどう変わっているのかが描かれています。
ここらあたりは、微妙ですね。
井上真央さんの演技は、結婚前と後ではそんなに変わっているように見えず。
吉田松陰も子供の純真さが一途で多くの門下生を短期間に育てていることと、伊勢谷さんとしてからすでに大人だったので、あまり変わった感がないのです。
3.明るい
登場人物が明るいのです。これは篤姫の魔力かも知れませんが、あの暗い島津久光さえ明るく見えます。宮崎あおいマジックかもしれません。
舞台の中心は杉家なのですが、どうも明るさが足りないのです。
なぜなのでしょうか?
長塚京三、檀ふみ、原田泰造、奥田瑛二と役者が揃っているのですが、みんな抑えた演技からか、静かな展開に陥りがちです。罪人となった吉田松陰の家だから明るくするのが憚られているかも知れません。
ただ、松下村塾の活気があった時は、もっと明るくても良かったとは思います。
4.幕末物で幕府からの視点である
幕末物と言えば、薩長からの視点が当たり前でした。つまり明治新政府側の視点で書かれた物です。善=薩摩・長州、悪=徳川と言う構図です。これを徳川側から描いたのが、このドラマです。これが新鮮です。
これは、全く違います。長州側の視点で描かれています。
歴史で習った薩長の歴史観で書かれていますので、普通な感覚です。
5.薩摩と徳川の戦い
何と言っても、幕末から維新は、徳川VS薩長です。その雄藩の一つ、薩摩から将軍に嫁いだ篤姫と言う存在が、凄すぎます。歴史の渦の中とはいえ、厳しい時代です。
長州VS幕府の戦いとなります。
途中、長州VS会津であったり、長州VS薩摩であったりしますが、最後は薩長VS幕府となります。
6.幾島と言う存在
篤姫を語るとき、幾島と言う存在が欠かせません。薩摩から将軍家に嫁ぐ時に重要な役割を果たします。そして、篤姫から離れていきます。その離れた時が絶妙でした。自分の存在価値を客観的に見た人です。凄い!!!
そうです、幾島です。
彼女のような存在が、花燃ゆにはいません。 これは、流石に無理かとは思いますが。
7.肝付尚五郎と言う人
この物語の側面から支えます。於一から篤姫になり天璋院になるまで、彼の存在は重要です。ジョン万次郎が天璋院に言った「尚五郎さんは天璋院さんのことが好きだったのですよ」というのは、良かったと思いました。
肝付尚五郎と同様な存在は、小田村伊之助になるのでしょうか。
若い頃からの杉文を知るであり重要な役柄ですから、イメージとしては一番近いかも知れません。
8.毎回泣かされます。
何故か、このドラマは、最後の方で必ず泣かされます。
自分でも何故か分からないのですが、天璋院のひたむきさというか何と言うかに、ほろっときてしまうのですね。最近では、涙の用意までしてしまう自分がいます。
毎回泣かされることはないです。
9.宮崎あおいが良い
ボクは、宮崎あおいと言う女優を知りませんでした。
彼女、うまいですね。幼いときからお嫁さんになって、大奥を預かる時に至るまで、見事に役割を演じきっています。最近の、堂々とした態度が好きです。そのくせ少女のようなものも、しっかり見せています。
宮崎あおいと井上真央との比較になりますが、演技力は宮崎あおいに分があるかなあと思います。
10.維新の時代でヒットさせたのは凄い
大河ドラマで、幕末から明治維新の時代でヒットしたのは今までありません。あの坂本龍馬を描いた「龍馬が行く」もヒットしませんでした。
そうなのです。幕末維新時代を描いた大河でヒットしたのは、篤姫とこの後放送された、龍馬伝ぐらいです。
ほかは、苦戦します。
そういう意味では、10%ぐらいの視聴率とっているわけですから、善戦しているとも言えます。
ここまで書いてきましたが、明るさが足りないみたいです。
ストーリーとしても、練りこまないと幕末維新は多くの人が興味を持ち知っている時代ですから、新鮮味がなくなります。
これから、禁門の変もあり、長州征伐もあり、江戸城開城もあります。
激動の時代に突入するわけで、展開によってはものすごく面白くできます。
期待したいですね。