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おもしろく こともなき世を おもしろく

会社を復活させるのは、ラストマン。

日立は、以前ウェブサイトを作るときに、そのブランドの展開を参考にさせてもらった会社です。

 

その日立製作所が、巨額の赤字を抱えそして、復活を果たします。

その当時の社長が書いた本が、このラストマンです。

 

ラストマンとは、文字通り最後の男です。

最後に決断する人です。それは、社長のみではなく、多かれ少なかれ決断する瞬間はどんな社員でもあるもので、そこでの考え方と言うか、こころの持ちようが描かれています。

 

では、引用しながら自分の考えを述べていこうと思います。

 

 

自分がみんなの給料を稼ぐ」という意識を持てるようになれば、会社は再生できるはず。  

まずは、自分の会社だという意識が必要です。

 
「改革は、スピードさえあれば何とかなる」ものが多いと私は考えています。

スピード感がないと抵抗勢力がたくさん現れ、改革は骨抜きになります。

結果、何も変わらず問題は先送りされ、もっと状態は悪くなります。

 
それらは、少人数の経営会議のメンバーで摺り合わせることで、ある程度回避できます。各部門のすべての利益代表が参加する多人数の会議ではうまくいきませんから、「少人数で摺り合わせる」のです

多くのひとが関わると、特に意思決定に多くの人が関わると、その責任の所在が不明確になり、結果として誰もちゃんと考えなくなります。

 

 
➀現状を分析する  ②未来を予測する  ③戦略を描く  ④説明責任を果たす  ⑤断固、実行する
 

この中で一番重要なことは、断固実行するです。

いろいろなことを書いてみても、実行しなくては何も始まりません。

ラストマンにとって不可欠なことは、とりもなおさず実行力であるということです。  会社が抱える問題を把握することです
 
現状を分析する」をしなければ何も始まりません。分析をするために必要なのはただ一つ、データです未来を予測するために必要なのは、情報です。それも鮮度がよくて確度の高い情報でなくてはなりません。
 
何か戦術を描くとき、データが大きくものを言います。
数字の前では、誰もが納得するしかありません。
文字通り、数字が物語ります。
 
二〇一二年、日立は薄型テレビの自社生産から撤退すると決断しました。  昔はキドカラーという名前のブラウン管テレビで一世を風靡し、プラズマテレビに進出していました
日立のコアな製品にカラーテレビがありました。
でも、そこから撤退します。
家庭用テレビでは、競争する会社が多すぎ、特に韓国や中国も液晶テレビと言う、簡単に作れるテレビに参入してきたことにより、勝てなくなりました。
 
日本の部長クラスは海外に行っても、数字は語れてもヴィジョンを語れないので、現地の人たちの求心力を失うという話をよく聞きます。  数字だけではなく、「なぜ必要なのか」「何のために必要なのか」「それを達成すると何が起きるのか」といった背景や将来を語ると、部下も「それなら私も実現させたい」と意欲がわくでしょう。  
ここでは、数字だけではダメということが書かれています。
確かに、ビジョンあっての数字ですから、まずは何をもってこれを行うかを説明しなければなりません。
 
戦略はどんなに情勢が変わってもグラグラしてはいけないものであり、朝令暮改していいのは戦術だけです。
確かにその通りです。

改革を成し遂げるには、「情」に流されず、「理」をとるしかないでしょう。「理」は、「理性」の理でもあるし、「経済合理性」の理でもあります。

 
一方、その資質がない人物には、三つのタイプがあると思います。 ①最初から関わらずに逃げる人 ②一度は引き受けたのに途中で投げ出す人 ③自分ではできないのに口だけ出す評論家タイプの人
結構、こういう人はいます。
そして、やりきれないのは、そういう人たちは、自分のことをそうだと思っていないことです。
自分の上司だったら一番いらない人です。
 
 
したがって、海外進出が進んでも、本社や研究所、マザー工場は日本におく
この考えは素晴らしいです。
日本にそういう機能があることは重要です。
日本企業としてのアイデンティティを継続するためにも、これは必須だと思います。
最後に
Remember, the best is yet to come ! 「覚えておきなさい、最良のときはこれから来ることを」という意味です。

この言葉で終わります。

最良の時はこれから来る。

未来があります、この言葉には。

V字回復しても、そこで甘んじることなく、改革を推し進めることで、最良なときはこれから来ます。

 

 

ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」

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