Bookrock

おもしろく こともなき世を おもしろく

優勝してもガッツポーズなんてしない、古き良き日本を見た全日本剣道選手権

剣道の試合をテレビで見るのは初めてだったかも知れません。

中学校の1年生までは剣道をやっていたのですが、こうやって見ると全く違いますし、そもそもが中学校の剣道と日本一を決める剣道を比較するのは、相当に失礼な傍若無人な神をも恐れぬ話かも知れません。

 

全日本剣道選手権。

決勝は熊本の西村英久選手と神奈川の勝見洋介選手の戦いでした。

試合時間は10分。

 

始まってから実況以外には選手の声しか聞こえません。

剣道の時の気合の声です。

 

そして、竹刀の音。

 

ピーンと張り詰めた空気が会場となった日本武道館に漂います。

間合いを取り仕掛ける両者。

打つ前に止まる手。

 

そして、せめぎあい。

 

永久にこの状態が続くのではないかと思っていた4分過ぎ。

 

西村選手のメンが相手にあたります。

赤の旗が3本上がり、まず1本。

 

二本目が開始されるや、すかさずメンを打つ西村選手。

 

あまりにも早かったため、審判もすぐには旗を上げられません。

少し遅れて3本の赤旗が上がりました。

 

2本で西村選手が勝ちます。

 

西村選手も勝見選手も日本代表で昔からお互いのことを知り尽くしているらしいです。

予選の勝負手は、コテだった西村選手。

決勝のためにそれを隠していたのではないかと思ってしまう鮮やかさでした。

 

優勝が決まった瞬間も、ガッツポーズなどありません。

相手に礼を尽くし畳の試合場から降ります。

メンを取り汗を拭きと普通のしぐさです。

 

優勝インタビューが始まります。

 

ここでも冷静に受け答えをします。

 

いろいろなスポーツで派手なガッツポーズを見ていた身からは、とても新鮮な感じでした。

 

日本古来のスポーツ(武道)って、こういうもんだったなあと改めて思います。

 

世界化が進んだ柔道は、今やガッツポーズが当たり前になりました。

大相撲も感情をあらわにします。

 

それも悪いことではないのですが、たまにはこういう勝負後のさわやかさもいいものです。

 

剣道って、久しぶりに見ましたけど、良いですね。