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書評、マラソンと日本人

マラソン見るのが好きです。

単に、42.195㎞走っているだけの映像なのに、なんであんなに面白いんでしょうね。

 

マラソンと日本人は、マラソンが日本に入ってきてからこれまでの歴史が書かれています。

日本で最初のマラソン。

日本マラソンの父である、金栗四三の話。

オリンピック金メダリスト、金基禎の話。

 

ボストンマラソンが日本では昔から人気があったと書かれています。

ボストンで活躍するということがステータスにもなっていた時代です。

 

それから、だんだんと歴史は近くになります。

東京オリンピックでの円谷幸吉の銅メダル。

その物語。

 

今では優しいおじいちゃんとなった君原健二が、とんでもなくやんちゃだった話。

 

瀬古利彦の登場とモスクワオリンピックのボイコット。

モスクワがあれば、間違いなく金メダルを取っていたと今も思います。

 

中山竹通の登場。

日本マラソンの黄金時代です。

 

ここに宗兄弟もいます。

 

しかし、メダルは遠いのです。

 

この間、駅伝は箱根駅伝を頂点として人気を博します。

箱根の影響は、12月にある高校生の駅伝は予備選に。

1月にある実業団のニューイヤー駅伝を、OB戦として見るようになります。

 

日本最高は、いまだに2002年にカネボーの高岡寿成が出した、2時間6分16秒です。

なんと13年間破られていません。

その間世界の記録をどんどん伸び、今やウィルソン・キプサングが出した2時間3分23秒です。

 

女子は、佐々木七重から増田明美は、そして、山下佐知子が1991年東京であった世界選手権で銀メダルになります。

 

有森裕子、高橋尚子、土佐玲子、渋井陽子、野口みずきなどオリンピック、世界選手権でメダルを獲得していきます。

 

男子は、森下がオリンピックで銀メダルをとってから低迷します。

 

そこに現れたのが、川内優輝と藤原新の2選手です。

実業団に属すことなく、マラソンに照準を絞って戦い好記録を残します。

 

企業名を売るためには、駅伝もどうしても必要なのでしょうが、マラソンが復活しないと、大学の駅伝が頂点となった長距離陸上界をひっくり返すことはできません。

 

ラグビーもそうですが、社会人(プロを含む)が人気も一番でないと、そのスポーツは結果として衰退します。

 

マラソンの歴史を知りたい人は、ぜひ読んでください。

 

 

マラソンと日本人 (朝日選書)

マラソンと日本人 (朝日選書)