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書評、うなぎと日本人

最近この、日本人がつく本ばかり読んでる気がする。

今回は、全編うなぎのことが書かれた本です。
 
うなぎ、高くなったなあと思います。
数年前にうなぎの漁獲量が激減し価格が上昇しました。
うな丼とかうな重の値段が上がったし、スーパーで売ってた一尾980円のうなぎはすっかり世の中から消えました。
 
それより、すき家のうな丼が値上がりしたのが一番象徴的な事件でした。
 
うなぎは、未だに完全養殖ができません。
技術はやっとわかったらしいのですがコストがついていってないそうです。
高すぎるのです。
だから、シラスを取ってそれをうなぎ池に入れて育てます。
 
うなぎの生まれる事が分からなかった時代、うなぎは卵から生まれるのではなく、今でいうクローンのように生まれると思っていたそうです。
 
なにせ誰も卵を見た事がありません。
 
まさか、マリアナ海溝までもどって産卵するなんて思いもよりません。
 
日本の川で育ったうなぎは産卵期になると川を下り太平洋に出て気の遠くなる距離を泳いでマリアナ海溝の一点に集中して産卵するそうです。
その間、何も食べません。
 
おそらく、今風に言うとDNAにそこに戻るという事を書き込まれているのかもしれません。
 
この本には、シラス取りから仲買人の存在、うなぎに育てるための池の存在。
冬に仕入れたシラスを高く売るためには夏の土用の丑の日には売りに出さなければならない事。
そのため、わずか半年で大人のうなぎにしていく事。
 
うなぎはシラスにしても大人のうなぎにしても値動きが大きいため、博打のようなものだとの事。
 
それこら、昔からの天然うなぎを取る漁の事とかが書かれています。
 
面白いのですが、思うという憶測が多く書かれているのがイマイチかなあと。
 
確かに、うなぎの事を昔から追うにしては、資料が少なすぎるかなあとも思います。
 
知っているようで知らなかった、うなぎのことがかなりわかる本です。
 

 

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