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書評、経済特区自由村

最近書評と書かれたテーマが多くなり、やっとこのブログのタイトルらしい展開になってきたなあと。

 

この本、経済特区自由村は著者、黒野伸一。

本が厚いのと字がそこそこ小さいことから、完読するのが大変かと、少しばかり逡巡してしまった。

 

まずは、現在の食品がどういった感じで作られているかが描かれる。

こんな極端な作り方してるんだろうかと、気持ち悪くもなるが、巨大化し低価格で市場に出回る食品加工物やファーストフードなどは、さもありなんとも思う。

 

以前、例えばカップラーメンを作っているところを見たら、もう二度と食べられなくなるとかいうのを読んだことがある。

全てのカップラーメンがそういう劣悪な環境で作られているわけではなく、しっかりと衛生的に作られているものだとも思う。

 

この書籍では、鶏の飼育が描かれている。

鶏と言えば、ブロイラーと言う印象が強く。狭いところにびっしりと飼われた鶏は、ほとんど見動くができない状態で成長していくが、それよりも強烈な育て方となっている。

本来の家畜の育て方とは違うことに対し、反発を生み事故が起きてしまう。

舞台は神山田 村に。

過疎が進み以前から住んでいる住人はほとんどいなくなる。

 

そこに新たに住み始めた人たち。

その人たちの共同体をFEEと言う。

フリーエコノミー&エコロジー。

決まったものは何もなく、各自の自由に任せる。

 

脱マネーを標榜しFEEに住むには、住宅費はいらない。

元住んでいた住人が無料で貸してくれる。

農場もあり、野菜などを育てたり、猟をしたりの生活になる。

 

人が増えるに従い、様々な住人がいるようになる。

 

FEEの代表とそれを取り巻くうさん臭い人々。

 

登場人物が多いので、この人ってなんだっけ?と言うこともあったりするが、なかなか展開は面白い。

 

エコロジーとは何か。

それを人間は本当にやっていけるのか。

お金とは何か。

 

など書かれている。

 

面白いと思います。

☆☆☆☆

 

経済特区自由村 (徳間文庫)

経済特区自由村 (徳間文庫)