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Bookrock

おもしろく こともなき世を おもしろく

ステーキを食うと言うのは、動物的になったような感覚に襲われる瞬間だった。

たまに無性にステーキを食いたくなる。

焼肉でなくハンバーグでなくステーキを。

で、ステーキは、食う、と言う動詞が似合う。

食べる、では決してない。

 

久しぶりにステーキを食ってみた。

 

肉をナイフで切りホークに突き刺し、口に入れる。

 

この行為を何度も繰り返す。

 

肉を見る。

赤い。

それは、まるで血に染まったような赤さ。

 

それを切り、突き刺し、食らう。

 

動物だなあ、自分。

と何故か思う。

焼肉ではそういう感覚を味わったことがない。

ハンバーグはなおさら。

 

なにゆえにそういう感覚に襲われるんだろうかと考える。

 

きっと、あの肉の塊と色とナイフが理由かなあと思う。

 

力を入れてさあ、肉をワシワシと切り、それをクワっと口に入れる。

 

これが、箸で食べるとなると、そういう感情は沸かないと思う。

例えば、てっぱんの上でシェフに焼かれコショウと塩をかけられ焼かれる上品な肉。

てっぱんの上で、優しく切られる肉。

それを箸で食べる。

箸は優しい。

そっと切られた肉をつまみ、頬張るという感覚。

 

それに引き換え、ナイフの雄々しさってないなあ。

 

それこそ、太古の昔から焼かれた肉を自分でその場で切り、食うという光景。

その光景はDNAに刻まれているような感じもする。

 

ステーキって、猛々しいわ。

 

で、食ってそういうもんだと思う。