日本における衆議院選挙は、小選挙区比例代表並立制で行われています。
この字面を読んで、なんのことかわかるためには百万光年かかるのではないかと思うぐらい、よくわからない選挙制度です。
民主党から離党する鈴木貴子さんは、鈴木宗男さんの娘さんです。
有能な政治家だった鈴木宗男さんが公職選挙法違反に問われ(たぶん)、議員辞職し、そのうえ、立候補もできなくなり、娘さんである貴子さんが民主党から立候補し、小選挙区では惜しくも落選しましたが、比例代表で惜敗率が高かったため、復活当選しました。
この復活当選と言うのが、小選挙区比例代表のいいところであり悪いところでもあります。
では、小選挙区比例代表並立とはなんのことか?
日本においては、派閥選挙による金銭授受の蔓延と一党優位政党制の転換を目指し、衆議院議員総選挙において中選挙区に代わり1996年以降行われている選挙制度である。重複立候補制度によって双方の制度が一部連動している。つまり、政党は小選挙区の候補者を比例代表の名簿にも登載できる。比例代表候補者には順位を付けることもできるが、重複立候補者については同順位とすることもできる。同順位とした場合、実際の順位は小選挙区における惜敗率に よって決定される。重複立候補した議員が小選挙区で当選した場合、比例代表名簿から除外されるが、小選挙区で落選した場合、比例代表での名簿順位により復 活当選の可能性がある上、小選挙区で有効投票総数の10分の1の得票を得られないと復活当選の資格を失うため、比例代表は本来政党への投票を促進する目的 で導入されたものの、各候補は依然として個人的な集票行動に走る傾向が強く残る。
Wikipediaから。
比例代表とは通常、政党への投票率により当選する議員が選ばれる制度です。
ところが、ここに小選挙区並立と言う言葉が入った瞬間に、政党より個人色が強くなります。
比例代表の順位を同一にして、小選挙区の惜敗率の順位で上位を変えていくと、結局は個人の投票率が優位性を持っていしまいます。
このように離党するなら議席を返していただきたい。と言うのは比例代表だけからすると、当たり前の話ですが、小選挙区並立制を選択した瞬間、得票率を上げたのは自分にお個人としての力であることから、議席返上を選択するのは議員の良心でしかなくなります。
議員の良心っていうのは、結構大変です。
議員は、その人個人で決定することはなかなかできません。
後援会とか、家族とか、いろいろと自分勝手にできない力があります。
で、今の民主党に残ったところで、なんになるのか!っていう周りの声も大きいのかなあと思います。
二大政党にしようとした政治改革でしたが、どうしてもこういう中途半端なことが残ってしまいました。
鈴木貴子さんの民主党離党で議員の資格はそのままと言うのは、今の制度ではしょうがないかなあと思います。