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井村コーチのいなかった10年はとても大きかったと改めて気付かされた、今年の世界水泳、シンクロナイズド・スイミング。

1984年から2004年アテネ五輪までシンクロ日本チームを率いていた井村雅代コーチが復帰した。
井村さんが中国のコーチをしていた10年間で日本は世界のトップ3から落ちていった。
今回の目標は、全7種目のうち一つでもメダルを取って帰ること。

その目標は、大会3日目のデュエット・テクニカルで実現された。
午前の予選で3位だった乾友紀子と三井梨紗子が、決勝ではウクライナとの差を0.3309点差に広げてロシアと中国に次ぐ3位になり、銅メダルを獲得した。

さらにその翌日のチーム・テクニカル決勝では、予選でウクライナに次いで4位だったのを逆転し、銅メダルを獲得した。
チームは8人の競技。
つまりは8人がメダルを取ったことになり、勢いはどんどん増していった。

このチーム・テクニカルに照準を合わせていた、井村コーチの作戦があたった。


次のデュエット・フリー。
予選でウクライナを抑えて3位だったが決勝では、予選より得点を0.1点落とす93.4333点になってしまいウクライナに逆転される。

悔しさの中迎えた、チーム・フリー。
オリンピックのチームは、テクニカルとフリーの両方で採点される。
そのため、ここはフリーもメダルを獲得したい。
そして、テクニカルに出ていなくてフリーに出ている選手もいるので、その選手にもメダルを取ってもらいたい。

そして、本番。ウクライナに0.2点差をつけて銅メダルを獲得した。
喜びにあふれる選手たち。

メダルは、必ず井村さんの首にかけられる。

最終種目は、フリーコンビネーション。
10人が出て、その演技の中ではチーム、デュエット、フリーが見られるという豪華版なシンクロ。
予選3位の日本が93.8000点で3位となり、今大会4つ目の銅メダルを獲得した。
10人で勝ち取ったメダル。
また、選手は号泣していた。
見ているこっちも感動する。

1個でも取って帰りたいと言っていた、井村コーチ。
その目標を大きく上回る銅メダル4個を取った。

こういう印象が大事なスポーツは、一つでも順位を上げて序列を上げることが次の大会にとって非常に重要。
審判の印象が良いと良く見られ勝ちになる。

現段階の序列は、ロシアがダントツで、その下に中国がいて、そこから少し離れて日本とウクライナがいる感じ。
その下にスペイン、カナダなど。

中国と日本の差は大きいので、来年のリオデジャネイロオリンピックで銀メダルを取ることは、とても難しいと思うけど、この勢いと流れで銅メダルは複数はとってもらいたい。

それにしても、井村コーチのいなかった、そして中国にいた10年は大きかったなあ。