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書評、鯨は国を助く

鯨は国を助く

鯨は、あえて、ゲイと読みます。

 

副題:箸を持った憂国の士が語る

 

鯨と日本人の昔からの関係が書かれています。

鯨と日本人は切っても切れない仲です。

 

それを太古の昔から食べていた日本人。

ほぼすべてを無駄にせず。

そして、鯨のために神社まで作っていた日本人。

 

感謝の気持ちで鯨に接していたのです。

 

およそ、ものを食べる前に、食材に対し、いただきます。と言う国民は他にはいません。

言ったとしても、それは、神に対してです。

 

第二次世界大戦のあと、日本は究極な食糧難の時代に見舞われます。

特に、体を強くする動物性たんぱく質が足りませんでした。

その危機を助けたのが、クジラ肉です。

 

鯨肉は、他の動物に比べても圧倒的に肉の品質が良いのです。

 

鯨肉が、日本にとって危機を迎えています。

 

確かにある時期、乱獲の時代がありました。

 

鯨から油だけ取っていたアメリカをはじめとした国家。

 

石油が取れるようになると、鯨は必要なくなりました。

そして、鯨は邪魔になります。

 

アメリカやオーストラリアやニュージーランドなどの畜産国にとっては、鯨が流通されると自国の牛や豚が売れなくなるので困るのです。

 

そう言った思惑からか、商業捕鯨が禁止されました。

表向きは、鯨の量が減ったためです。

絶滅危惧種にそのうちになるという危機感からです。

それと、鯨を食べるのはかわいそうと言う感覚論です。

 

可愛そうと言うなら、他の動物はかわいそうではないのかとも思ってしまいます。

それは、家畜として育ててるからいいのだ、と言うことに関しては、オーストラリアでは野生のカンガルーが毎年おびただしい数が殺されているという現実があります。

 

調査捕鯨。

これは、世界的に認められた捕鯨です。

調査することによって、鯨の数とかを割り出します。

 

すると、あまりに数が多くなりすぎている鯨がいることも分かってきています。

 

鯨が食べるのは、他の魚です。

 

増えすぎた鯨により、ものすごい数の魚が食べられ、いなくなっています。

 

海の連鎖の頂点に立つ、鯨。

その数が増えるとどうなるのかは、考えなくても分かることです。

 

ところが、反捕鯨国やシーシェパード、グリーンピースなどの反捕鯨団体の行動は過激さを増すばかりです。

特にシーシェパードの活動は、犯罪かとも思われるぐらいひどいものです。

 

この本の最後には、いくつかの料理法が書かれています。

 

黒皮:黒い表皮に脂身を2センチほどつけて切ったもので、とても柔らかい

 

サヤ:舌のことで、野菜とともに鍋焼きにして良し、熱湯をくぐらせて三杯酢にするも良し。

 

テイラ:尾の身の肉は、塩漬けにしたものを細く糸切りにして何回も水で洗って塩抜きをしてゴボウはキノコ類と一緒に煮込む。

 

などなど。

 

そして最もおいしい食べ方

 

クジラのペッパーステーキ丼

赤身を1センチぐらいの厚さではがき大に切って、フライパンに油をちょっと落として、まず片面をシャーっと焼く。30秒ほどすると焼面が白くなるから、それをひっくり返してさらに30秒ほど焼く。そこに思いっきり安いテーブルこしょうを振りかける。その上から、醤油を加え10秒ぐらい焼く。それを皿にとってナイフで切り分ける。丼に炊き立ての熱いご飯を盛り、そこに出てきたタレごとペッパーステーキをどんとのっけて出来上がり。

 

う~ん、うまそうです。