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書評、甲子園怪物列伝

僕自身は、高校野球の甲子園大会は、あまり肯定的には見ていません。

そりゃあ、見ると面白いのですが特に投手の肩を壊す引き金のような大会運営が駄目なのです。

 

でも、それを含めて高校野球の刹那的かつ地元の高校を応援する気持ちは強かったりして、見ると引き込まれることも偽らざる心境です。

 

それぐらいに、自分の中でも消化できない大会です。

 

甲子園怪物列伝。

 

この本が出版されたのは、2005年です。

 

著者が見る怪物の最初は、三沢高校の太田幸司です。

どちらかと言うと、怪物と言うより甲子園の元祖アイドルと言うイメージが強いのですが、高校野球の世界では強豪とは言えない秋田三沢高校を甲子園に出場させた、太田幸司と言う投手は、やはり怪物です。

 

この選手を始め、書かれる選手は、

松坂大輔

松井秀喜

桑田真澄

清原和博

江川卓

荒木大輔

原辰徳

牛島和彦

香川信行

辻内崇伸

ダルビッシュ有

寺原隼人

イチロー

 

です。

 

この中で異質は、実はイチローです。

彼は、高校野球ではそんなに歴史を作っていません。だから、高校野球と言う側面からすると怪物ではないかと思います。

 

投手の一番の怪物は、江川卓か松坂大輔のどちらかです。

 

記録と記憶に残ったのは松坂大輔かと思いますが、高校時代の江川卓は別格的匂いがします。

 

この本の中では、選手ではなく、高校として池田高校や智弁和歌山などが書かれています。

 

やまびこ打線の池田高校は圧倒的に面白かったです。

 

大学を含めて学生スポーツで選手の面からこれほど語られるのは高校野球しかありません。

 

それこそコンテンツとしては群を抜いています。

 

3年間に凝縮されたその世界。

 

そして炎天下の中。

 

舞台は甲子園球場と言う、日本屈指の球場。

 

そこに物語が生まれてくるんでしょう。