ココアにバターと文庫本。
この言葉を始めて見た時、思い出したのは、この言葉です。
書を捨てよ町へ出よう。
寺山修司の言葉です。
もう、震えるほど格好いい言葉です。
僕のこれまでの人生の中で、一番心揺さぶられた言葉の一つです。
それと、ココアにバターと文庫本。
この二つの言葉の文脈は全く違うのに、何故か似ているようでいきなり頭に響き渡りました。
ココアにバターと文庫本、とはセブン&アイホールディングスCEOの鈴木さんの本に書かれていた言葉です。
意味としては、イノベーションを作る一つの方法論です。
ココア
バター
文庫本
その一つ一つは、これまでもあった、全く普通のものです。
ところが、この3つを掛け合わせた瞬間、全く違うものが生まれます。
ココアにバターを入れる。
真冬のそれは、今まで味わったこともないものになります。
そして、それを飲むときに読書するということは、相乗効果で新たなシーンになります。
つまり掛け合わせのイノベーションです。
これと同じものは、ソニーのウォークマンです。
それまであった技術を掛けあわせ、外で音楽を聴くという提案をした商品です。
外でだけではダメで、イヤホンを使って聴くことで、自分一人の世界になりました。
音楽を聴く革命でした。
ココアにバターと文庫本は、ウォークマンほどの大きさはないのですが、その感性は同じです。
で、話は始めに戻りますが、何故に、書を捨てよ町へ出よう、につながっていったかは、やはり不明です。