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書評、オサムイズム”小さな巨人”スズキの経営

スズキ株式会社、会長の鈴木修さんの話です。

 

スズキ株式会社と言えば、すぐに思い出すのが、アルトです。

 

軽4輪自動車メーカーの雄です。

 

このオサムイズムを読むと創業から約25年ごとに危機に直面しています。

 

自動車メーカーは、最大の集積産業です。

車一台作るのに、多くの企業の作成物が使われています。

 

安くいいものを作るには、規模の拡大が必須です。

 

トヨタ自動車にしても、フォルクスワーゲンにしても、ルノー日産にしても、規模の拡大を行っています。

 

そういうガリバーのような自動車メーカーに比べると、スズキはふっと吹いたら飛んでしまいそうな小さな企業です。

鈴木修さんは、その小ささを逆手に取ります。

GMとの資本業務提携です。

当時世界一のメーカーだったGM.

そこと提携をします。

 

この提携は、一気に飲み込まれそうな感じもあったのですが、巧みに乗り切っていきます。

乗り切るどころか、車作りとは何かを学びます。

 

GMとの提携が終わった後、目を付けたのが、フォルクスワーゲンです。

 

同じ方向を見ていると思っていた、VWですが、全く違いました。

スズキを子会社化しようとします。

 

ここから、巨人VWとの戦いが始まります。

舞台は、国際仲裁裁判所に移ります。

長い戦いの中、勝利をおさめます。

 

スズキ自動車は、社長は世襲です。

ただ、その世襲が少し変わっています。

 

初代から4代目の修まで、娘婿が継いでいきます。

これは、考えてみたら、合理的です。

能力のある人を婿にして社長に据えるのですから。

 

ただ、実はそんなに簡単ではなく、ぽっと来ても、古参の社員からは認めてもらえません。

努力と実力で認められます。

 

鈴木修さんは、社長として30年を越えました。

その間、何度か社長交代のチャンスがありました。

そのたびに、会社のピンチが訪れバトンを渡すことができませんでした。

 

スズキ株式会社の苦闘と躍動が書かれた書です。