ツール・ド・フランスは、自転車でフランスを一周する世界で一番人気の高い自転車レースです。
実際は、途中飛行機に乗って移動するところもあり、一筆書きで一周するというものではありませんが、ざっくりと一周です。
まず、前半はフランス北の方の平坦なコースが続きます。
フランス以外の国から始まることも多く、今年はオランダから始まりました。
平坦なコースではスプリンターと呼ばれる、陸上で言えば短中距離が特異な選手の戦場になります。
時速60kmぐらいの物凄いスピードで走り、ゴールはこれでもかと言うくらいのスピードレースが展開されます。
山岳コースは,代わってクライマーと呼ばれる選手の独壇場になります。
スプリンターとクライマーは見ても全く違った体型です。
総合優勝は、このクライマーの中から出てきます。
箱根駅伝もそうですが、タイム差がつくのは山岳コースです。
平坦な道で大きな差を作ることはほぼ無理です。
山岳コースはピレネー山脈とアルプス山脈の二つのコースがあります。
標高2000Mを駆け上がっていくわけですから、かなり過酷です。
昨日のコースは道がつづら折りをしていましたから、それは美しくきつかったと思います。
その中を、信じられないくらいのスピードで駆け上がります。
風を避けるため、集団になって走るのがセオリーですが、必ず数人の逃げ集団ができます。
逃げ集団は数人ですから、体力の消耗も激しく、レース後半でメイン集団に吸収されることも多いのですが、たまに優勝します。
これも見ていて面白いのです。
ステージ優勝も、出場選手にとっては勲章です。
ただ、通常はチームの中心選手(ゼッケンの一桁が”1”の選手)を勝たせるため、他のメンバーは献身的な役割をします。
前を走ったり、安全に走らせたりと。
そして、このサポートメンバーは役割が終わると後方に消えていきます。
体力がなくなっているからです。
逃げを打った人は、2日続けてはありません。
次の日は、ちゃんとサポートに回ります。
今年のツール・ド・フランスは、その時点の総合1位の選手、マイヨジョーヌと言うのですが、マイヨジョーヌの黄色い服を着たら転倒しリタイアするという、悲劇が続きました。
ところが、一昨年のチャンピオン、フルームが二度目に着てからは、安定しています。
既に、タイム的には、フルームの圧勝が見えてきました。
コンタドールとキンタナが、逃げるみたいな展開をしてタイム差を縮めたら面白くなりますが、まだアルプス越えが残っていますから、体力を温存し、フルームにこれ以上離されないレース展開かと思います。
しかし、見ていて面白いなあと。
また、このツール・ド・フランスは景色が綺麗です。
日本のように無粋な電柱が全くありません。景色を大事にする国なんだなあと分かります。
あの中を走っていくのですから、気持ち良いはずです。
そして、何と牛がコースを横切りました。
危ないのですが、これもフランスなんだなあと。
放送はJスポーツがやっていますが、1レース4時間から長い時で6時間ぐらいなので、時間がない人は、毎日NHKBSで午後5時から25分ダイジェストをやっているので、それを見ることを勧めます。
日本にも山岳コースがあるツールド何やらと言う大会できないものかなあ。