「冒険の蟲たち」
1976年4月から翌77年1月までの冒険記です。
車で走り、山に登り、筏で河を下る。
溝渕 三郎 、與田守孝、長篠哲生の3人がアメリカ大陸5万キロを冒険します。
文章は決してうまいとは言えないのですが、読むうちにどんどんとその世界に入り込んでいきます。中南米の地名が多く出てきて、聞くのが始めてなところも多くて、それがどこなのかとかも頭に入り込まないのですが、それさえも超えていきます。
彼らの無謀というか、勢いというか、どんな苦難も乗り越えていく魂には圧倒されます。
1976年と言えば、日本はまだまだ貧しかった時代です。
多くのお金を持っていくこともできないなか、たくましく生きていく、それこそ、生き様みたいなモノが感じられる書です。
アメリカに行き、車を買いそれで移動していきます。
車だったら、簡単に移動できるだろうと思うかもしれませんが、時代は70年代です、そして車はシボレーです。しかも中古。
そんなに簡単に車は動いてはくれません。
何度も何度もパンクします。
最後の方は、バッテリーがいかれます。
前半のハイライトは、アンデス山脈にあるネパド・タウリラウ(5830m)です。しかも未踏の南壁からの登頂です。僕は山登りには全く詳しくはないですが、写真で見ても途方に暮れるような山肌です。
チャレンジして、落ちながらも登り切ります。このあたりは一気に読んでいきましたが、感動します。
アマゾン川を一人で筏で下ったり、彼らの冒険心は凄いです。
逆境になっても、何とかしていこうとして実際に折れかけた心を鼓舞して何とかしていくところは、とても勉強になります。
自分もしっかりしていかないとと思った本です。
-----加筆2009年6月6日------------------
僕が書いたものより、今井通子さんが書いている本の帯の方が「冒険の蟲たち」のことを全然説明していますので(当たり前か・・・)、そのまんま転用します。
日本中、悲観的な気分蔓延の今日この頃、私の後輩のおじさんたちが若者だった頃の熱い大冒険を綴っています。強靱な意志を持ち、無謀とも思える楽天的な記録は、ヨセミテでクマに遭おうがアマゾン川でイカダが岩に挟まれようが、ケロリとして生き抜いています。
蘇れ、このプラス思考!
そう、プラス思考なのです。何があっても諦めることなく楽天的で苦難を解決していくところがいいのです。
冒険の蟲たち―登った!漕いだ!走った!アメリカ大陸5万キロ 溝渕 三郎 白山書房 2009-05 売り上げランキング : 13766 Amazonで詳しく見る by G-Tools |