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坂の上の雲 第5回。秋山真之と正岡子規の会話

坂の上の雲、第5回。
正岡子規秋山真之の会話です。

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日本人はな、猿真似の民族と言われておるが、外国に行っても卑屈になってはいかんぞな。西洋とても模倣を繰り返して、ようやく猿真似が終わったとこじゃ。イギリスもフランスもドイツもロシアも真似しあい盗みおうて文明を作り上げた。西洋は15世紀にそれをやって日本は19世紀にそれをやったゆうじゃけの違いじゃ。

アメリカはそういう連中の吹き溜まりじゃ。

そうやって飲んでかかればええ。

猿真似のどこが悪い。日本人がいかに優れた吸収力と消化力を持っとるか、あしらは十分誇ってええんじゃ。日本には大きくて深い皿がある。そこに乗っかるものがいろいろあるゆうんが日本の面白さよ。

そういう国を滅ぼしてはならん。

ほうじゃ。
国が滅びるゆうことは文化が滅びるゆうことじゃ。
じゅんさん、わしはどんだけ生きられるか分からん。じゃが、わしが死ぬ前にやり遂げようとすることを無駄にならんようにしておくれ。
  

よし。
引き受けた。

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この猿真似の話は明治時代なのです。戦後の日本のメーカーが言われていたことと全く同じです。僕が大学の時に勉強していたのが、日米通商摩擦でその原因が猿真似で製品を作り安い労働力(日本のことです)で、安価な製品をアメリカに輸出していることがけしからんという話でした。

猿真似から始まった日本製品ですが、独創的な商品を作りメイドインジャパンの製品は良いというブランドになったのでした。

明治と戦後の日本は同じことをやってしまったのですね。とすると第二次世界大戦の敗北はあまりにも大きな代償なのでしょうが、じゃあそのアホな戦争を回避すればよかったのにと言う短絡的な話にはならないのです。

国を守るとうことは文化を守ると言う事と言うのは深いことです。国土が守られるなら降参すればいいと言うことは、文化と言う言葉で覆されます。占領された国で文化を守られた国なんてありません。宗教が違ったりすると銅像とか文化を象徴するものは徹底的に破壊されます。

明治、国を守るために精一杯に生きています。

この坂の上の雲の続きは来年の12月です。待ち遠しいですね。