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おもしろく こともなき世を おもしろく

出会う先生というのは大事

高校の2年か3男の時に受けた生物の授業。その時の授業が面白くて生物というものに興味が持てた。
当時、僕は既に文系に行っていて、いくら生物が面白くても、受験対策でしかなくなっていた。その先生に高校1年の時にあっていたら、もう少し違った人生があったかもしれない。
高校の1年とか2年とかなんて、その後の人生の長さからするとたいしたことはないのだけど、文系から理系に変わるという勇気を持ち合わせていなかったのでした。

「生物と無生物のあいだ」と言う本を最近読んでいるいる。

2007年5月の発売の本で、もう既に3年も経っている。

昔習ったDNAとか二重らせん構造とかがわかりやすく書かれていて、生物からはもう30年近く離れているのに、わかりやすい。

冒頭、1000円札でおなじみの野口英雄のことが書かれているが、彼の発見というのは、殆どが今は評価されていない。
  

ロックフェラー(ロックフェラー大学のこと)の創世記である20世紀初頭の23年間を過ごした野口英雄は、今日、キャンパスではほとんどその名を記憶するものはない。彼の業績、すなわち梅毒、ポリオ、狂犬病、あるいは黄熱病の研究成果は当時こそ賞賛を受けたが、多くの結果は矛盾と混乱に満ちたものだった。その後。間違いだったことが判明したものもある。彼はむしろヘビイ・ドリンカー及びプレイボーイとして評判だった。


野口英雄の功績が矛盾と混乱に満ちたものと言うことを初めて知った。


遺伝情報を司るのはDNAであり、それは綺麗な二重らせん構造をしている。この二重らせん構造は、何度も見たことがあるので、当たり前のことのようにおもっていたけど、これこを20世紀最大の発見であったと言っても過言ではない。
犯罪の操作で髪の毛一本から犯人を特定するのも、このDNA鑑定と言う言葉が使われていて、単純な構造だからこそ複製できるわけで、本の小さな欠片のようなものから物質を作り出して行く。

DNAは、A,C,G,Tと言う4つの要素からしかできていない。その単純さが生物の神秘を生んでいるとかは、とても楽しい。


それから、発見には陽もあれば影もあり、DNAの二重らせん構造を発見してノーベル賞を受賞した、ワトソン、クリック、ウィルキンズは他の発見を盗んだという疑惑も語られている。


僕みたいに生物を遅れて面白いと思った人も、これから学びたいと思っている人も、読んでみる事を勧めます。


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
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おすすめ平均
stars科学者目線の文学、もアリじゃない?
stars世代論も語れたりなんかするー。
stars読み終えてなお「問い」が、その背後に涼やかな笑みを浮かべて直立する
stars生物学の物語
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ルリボシカミキリの青
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