ある日突然、新富町で飲むことになった。
以前仕事をしていて、最近また仕事で絡むことになった取引先の人と、別の同僚を通じて飲むことになった。
そして、そこにはずっと会っていなかった人も登場して、では、みんなの中間点的な新富町で飲みましょうと言うことに。
新富町。
有楽町線の新富町だけど、この駅は随分前の有楽町線の終点だったぐらいにしか記憶がない。有楽町線自体はたまに乗るけど、だいたいが新木場まで行って千葉方面までの乗り継ぎになるか、もしくは東京ビックサイトまでの通過駅でしかない。その他の駅としては、豊洲で下りてゆりかもめに乗るとか、月島でもんじゃ焼きとかぐらいしかなかったりする。
それで、新富町。
まず、有楽町駅からどのくらいの距離すら分からない。麹町駅で見たら有楽町から二つ目だった。思ったよりも近い。
そして、僕たちはその新富町に着く。
地図を見ながら出口まで行き、その目的地までの道を考える。
こっちだろう。とかなりいい加減に僕が言う。
いやこっちです。と右斜め270度の道を指定される。
こっちか・・・と、素直に従い歩き始める。
200メートルぐらい歩き右に曲がる。そして150メートルぐらい歩くと、知っている顔に出会う。
○○さん?
と言うと、その○○さんだった。
道に迷ってしまって・・・ということを言う。
こっちですよ、といい進む。
そしたら、その店はあった。
お店はとても、自己主張していないところで、分かっていても通りすぎてしまいそうな外見。
中に入ると、板張りでカウンターが10席ぐらい、左側にテーブル席が一つというこじんまりとした飲み屋さん・・・というよりきれいな小料理屋さんという感じ。
僕らは個室ということで、そこから行くんですか?というところから階段を上がり2階に行く。
そしたら、そこにはわからないようにひっそりとした個室があった。
お久しぶりです。
すでにそこを予約していてくれた人は一人で待ってくれていた。
そして、飲むことに。
ここって変わっていて、ビールは冷蔵庫から自分たちで取ってくるんですよ。
とおもむろに立ち上がる男4人。
ほ〜!
とか、
へえ〜!
とか感嘆符を発しながら、ビールを取り、栓抜きであけ、まあまあ、と言いながらコップに注ぎグビリグビリと飲むのであった。
食事もかなり美味しく、話も弾み新富町の夜は更けていったのだった。