林業です。
学生の頃に習った、第一次産業。
農業、漁業、林業の林業です。
この本では、その林業の特集をやっています。
まず、東京にある東京チェンソーズの話です。
東京都檜原村にある、東京チェンソーズ。
まず、檜原村が読めません。
ヒノハラムラ
と読みます。
東京にある村です。
そこにある林業事業体です。
真面目に林業をやっています。
なんで、あんな大変なことをやるんだろうと思って読んでいきましたが、これは全然ありです。
この会社には、東大卒の林業女子も働いています。
彼女がここに入ってくるのも物語です。
東京から始まった話は、高野山に飛んでいきます。
株式会社古川ちいきの総合研究所と言う林業コンサルタントの話になります。
高野山のブランドを使い、高野霊木と言う杉とヒノキを作ります。
付加価値が付いているわけです。
林業の問題点も語られます。
普通、素材から商品ができて販売されるには、一定のルートがあります。
一般的には、
素材→買い取り→製造→問屋→小売業→消費者
です。
この流れが林業では機能してないそうです。
なので、消費者の欲求が生産者に伝わりません。
つまりは、製作者と消費者のアンマッチが起こります。すると、商品の価値はどんどん落ちていきます。
悪循環です。
これを断ち切って流れを作っているのが、岡山県の西粟倉村です。
ここは、百年の森林構想を宣言しています。
村と株式会社トビムシにより、株式会社西粟倉・森の学校が設立されます。
ここを中心にし、木材を作るだけでなく製品を作り販売します。
工場を作り営業を置くわけです。
書くのは簡単ですが、やるのは難しいです。
付加価値つけてそれなりに高く売るわけですから。
日本のように人件費が高い国で作った木材で商売するのはかなり大変です。
それを、西粟倉・森の学校は実現していきます。
最後に話は身近になります。
割りばしが林業を救うです。
割りばしは、本来なら捨ててしまう廃材から作られています。
少なくとも、日本製の割りばしは。
一時期、割りばしは環境破壊とか言われ、割りばしが飲食店から駆逐されていきました。
国内産の割りばしを使うことは、この国の林業を救うためには非常に重要です。
林業から果実を取っていくには、最低30年は必要です。
これが、農業や漁業との決定的な違いです。
だから100年と言う時間が必要になってきます。
この本を読むと、国内の林業を大事にしなくてはいけないと思います。
そして、自立できるようなシステムが必要です。
木って、柔らかいです。表情が。