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書評、言える化「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

著者は、現場力を鍛えるの遠藤功さん。

 

ガリガリ君で有名な赤城乳業のことが書かれています。

 

この会社の良さは任せることです。

 

ガリガリ君リッチコーンポタージュは2012年9月に発売。

発売3日にして販売休止。

予想を超える売り上げで、製造が追いつかなくなる。

これを企画したのが、20代の若い二人。

岡本秀幸さんと岡村鉄平さん。

 

普通すぎるとめっちゃ怒られるという企業風土であり、普通のことをやったり言ったりすると、お前は大企業病かと怒られる。

企業が成長局面に入った時、工場の大きさがボトルネックとなることが分かり、新工場建設と言う大きな決断をする。

それが、2007年。

当時の売上額が232億円。

工場の建設費用が100億円。

その上、市場は好景気とは全く言えず、日本国内から脱出して海外へ工場を作っている時代だった。

そんなときに決断するのは凄いことだと思う。

 

赤城乳業の会社の特徴は、社員が自由闊達にものが「言える」とことであり、それを社長の井上さんは、「言える化」と呼んでいる。

「役職が上の人でも普通に話せる。若手社員が平気で役員にダメ出しをする。とにかく言いたいことは言うのがうちの社風。」

 

さらに、

「言える化」はこの尊重がなければ成立しない。

相手の意見に耳を傾ける「聞ける化」があって「言える化」が成立する。

ものすごく、赤城乳業は大人の会社である。

 

言える化を実現するためには、

「言える化」を実践する「場」の設営

「言える化」を加速化する「仕組みの構築」が必要で、

そのため、委員会やプロジェクトをいくつも作り運営している。

 

ただ、プロジェクトや委員会はどの会社でもやっていることであり、そこには工夫がある。

それは、委員会やプロジェクトをリードする委員長の選任とアドバイザーの存在にある。

委員長はプロジェクトリーダーは役職には全く関係なく、目的遂行に最も合致した人が選ばれる。

そのため、入社数年目の若手社員が抜擢されることもある。

若い社員たちの力を活かし、異質の視点や思考により新しいものを作っていく。そして、それが言える化につながっていく。

 

入社した際の社長の言葉は、

「会社のために働くな。自分のために働け」入社式の場で社長からこれを言われる。

これからは、会社のために働くぞと臨んだ場で言われるので、新鮮であり強烈であり、ずっと忘れられない言葉となる。

 

この言葉の意味を仕事を始め本当にわかることになる、赤城乳業の社員。

 

本当に素晴らしい会社です。