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書評、影の権力者、内閣官房長官菅義偉

内閣官房長官菅義偉。

安倍内閣を作った人と言っても過言ではない政治家です。

 

この本には、彼の政治家としてのバックボーンが語られています。

 

地盤看板カバンのなに一つも持っていなかった菅義偉さんが、横浜市会議員となり衆議院となり、わずか当選6回で官房長官まで上り詰めます。

 

最初の政治の師となった、梶山静六さん。

梶山さんは小渕派(平成研)を離脱し、総裁選へ立候補します。

相手は、小渕恵三と小泉純一郎です。

 

当選1回目の菅さんは、選対の事務局次長になります。

 

政治家として正しいと思うことはどこまでもやると言う、彼の象徴のような行動です。

 

まだ派閥の力が厳然とあった時代。全く歯が立つわけないと思われた中で、無派閥の梶山は大善戦します。

 

小渕さん225票、小泉さん84票、そして梶山さん102票でした。

もしも、小泉さんが立候補しなかったら、勝てたかもしれません。

それほど、梶山さんの主張はその時の世論に合っていたと思います。

その後、自民党は加藤の乱が起きました。

ここでも、菅さんは加藤紘一さんを担ぎ出そうと懸命になります。

 

このときは、加藤紘一は森内閣不信任案を出すことをやめ、乱は終わりました。

 

菅さんが好んで使う言葉は、「約束」。

 

今の安倍内閣が安定して、支持率が高いのは、官房長官として菅さんが安倍さんの後ろにいるからなんだなあと、本著を読んで思いました。