最近会社の中で、先輩を囲みながらこういう話があった。
ちょうどそれは、ボーナスの出た数日後だったので、そのボーナスの話。
後輩「○×さん(先輩のこと)ボーナス一杯もらったんでしょ?」
先輩「そんなもらえるわけないじゃん」
後「えっ、何でですか?そんなことないでしょう」
先「もうね、数年前から下がり始めて、この年になるとあがらないんだよ」
後「・・・・・」
その先輩であるが、年は48,9歳である。
僕は一緒に仕事をしているが、普通である。普通であるから、下がることはないだろうと思う。
ところが、下がっているらしい。
普通と言ったが、実は自信がないというように見える。
普通なのに自信がないというのはどういういとか。
もうずいぶん前に、会社の人事考課とかボーナスの査定に大きな差をもうけるようになった。
差を設けるのであるが、人件費を削りながらであるから、評価が高い人を大きく上がるためにしわ寄せがきたのは、評価が低い人ばかりでなく、評価が普通の人に対してである。
給与とかボーナスの金額というのは、社員のモチベーションに大きく直結する。だからこそ、経営層はここを触りたくなる。触って自分が思うような会社にしたいと思う。
ところが、これを使いすぎると劇薬となる。
変わっていけないところまで変わるという、副産物までを呼ぶ。
僕は、社員に対して大きく差を設けていいのは、人件費を多く使える時と、緊急避難の時の二点しかないと思っている。
人件費が、しっかり使えるなら、今まで普通にもらっていた人は、それからも普通にもらえるし、評価が高い人は今まで以上にもらえる。
とすると、大局的には社員からは大きな不満とかが出ることはない。
ところが人件費圧縮の局面で行うときは、注意が必要になる。
会社の中での人間は、2:6:2と言われる。これは、マーケティングにも使われている理論であるが、それは社員にも当てはまり、どんな会社でも2割の優秀な社員と6割の普通の社員と2割の落ちこぼれができるという図式である。
ここで注目してもらいたいのは、中間というのが6割と一番多い比率を持っていることである。
上の2割の人というのは、ほおっておいても仕事はするし、できるし、昇進もする。それはどんな評価制度だったとしても、その2割の大多数は上がるはずである。
とすると、人事評価制度の中で一番見なければいけないのは、6割の中間層である。
そして、話を戻して、人件費圧縮の局面での注意である。
それは、とりもなおさず、6割の人件費ファンドから優秀な2割への賃金移行に他ならないのである。
こんなことを、もし続けていたら、まともな社員ならやる気をなくすのは当然である。
であるから、緊急待避以外で使ってはいけないのである。
みなさん。
ここで考えてください。
あなたは、考課者です。自分の部下に評価を言ってください。
評価が高い人には、良かったね、これからもがんばれよ。会社は君のことを見ているからね。と言えるでしょう。
ところが、評価が低い人に対して、今後こうあるべきだと言えますか。言えるとしても、自分の感情を一方的に言っても意味がありません。その部下がちゃんと納得するように言わなければなりません。
結構難しいですね。
難しいけど、評価が低いならそれなりに何とかなります。
ところが、評価が中間の人に対してはどうですか?
普通にやっていても、しっかりとした賃金を与えられないとなると、これは相当に難しいです。
「これからどうしたら給料は上がるのですか?」
と聞かれたとき、明確な回答ができますか。
僕の先輩は、48,9歳です。
昔なら、脂がのりきった一番仕事ができる年代という世代です。
こういう人の自信を失わせて、いったい何が良いのでしょうね。
まやかしの、成果主義人事制度なんて即刻やめてもらいたいと考えています。
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人事評価制度は、脱成果主義を勇気をもって言おう。