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Web2.0時代のマーケティング。HD-DVDから撤退する東芝と東京から撤退するはてな

今回の東芝のHD DVDからの撤退については、非常に練られた撤退劇であったような気がする。

まず、2月15日にIT Mediaのこの記事
東芝、間もなくHD DVDから撤退か
で始まり。

2月16日にNHKニュースで、東芝 HDDVD撤退で調整と言うのが流れた。

この金・土曜日のリークとも言われるニュースにより、世論の動向を見たような気がする。そこには巧妙にも嘘の情報をちりばめることにより、もし世論から反対の意見が多かったら、あれは事実無根の情報がはいっているからから分かるように、東芝としては、HD DVDから撤退するなんてことは考えたこともなく、公式には、全く公表もしていないことであります。

 
ということができるようなリークだったのではないかと思うのです。

この一連のニュースにより、東芝は世論がどう出るかをじっと見たのではないかと思われます。この場合の世論とはブログのエントリーなわけであり、そこで何が書かれていくのか、ポジティブかネガティブかを注意深く見ていたのではないかと思います。

僕も、このブログでは肯定的な意見を述べました。これが世論を形成するとは思ってはいませんが、一つの意見として述べています。

僕が知る限り、ネガティブな意見が大きな波になったような感じではなかったのです。

東芝本体も、おそらく、これならいけると思ったのではないでしょうか。

ここで、東芝はもう一つの動きをします。

それが、

東芝半導体新工場、岩手と三重で一斉着工・最大1兆8000億円投資

です。

HD DVDを捨てて半導体に投資をするという選択と集中が市場にどう影響を与えるのかを見たと思います。

その結果、株価が急上昇した。

Webの中での評判はそれとして、市場の評価を加味することによりHD DVDから撤退しても企業の価値は下がらないと言う結論に達したのだと思います。

そして、東芝は正式にHD DVDからの撤退を表明します。


この一連の動きを見て、今のWebを取り巻く環境をうまく使ったプロパガンダをしたもんだと思いました。

ブログと言う世論を代表するものがないと、こういう手法は使えません。

そのブログだけでは怖かったからか、昔からある株価と言う市場価値を加えて結論を出したのでしょうね。

今後の、企業における事業からの徹底方法として、東芝のこの方法は語り継がれるんでしょうね。


さて、Web2.0企業の中での日本の代表企業は、「はてな」です。

このはてなが、いきなり東京から撤退して京都に戻ります。

本当にいきなりです。僕は、はてなの中に大きな問題が起こったのかなあと思いました。それほど唐突でした。

撤退するなら、もっと他の方法があったのではないかと思います。

はてなは、いっぱいメディアを持っているのですから。