演劇は好きだったが、なかなか見に行く機会を作れなかった。
そして、いつしか演劇が遠いところにいってしまった毎日を送るようになった。
それが、本当に久しぶりに演劇を見る機会が訪れた。
キャラメルボックスが行う
きみがいた時間 ぼくのいる時間
がそれだった。
恥ずかしいことに、僕はこの「キャラメルボックス」と言う演劇集団を知らなかった。
行くことになりWebサイトとかで調べてみたが、どうも感覚がつかめない。
それほど演劇から離れてしまっていたんだと思った。
上川隆也さんが主演で西山繭子さんがヒロインの物語であり、この演劇の原作は梶尾真治さんの短編小説シリーズ「クロノス・ジョウンターの伝説」ということだった。僕はSFが大好きということもあり、段々と期待が膨らんできたのであった。
エンジニアとして実力があった主人公、秋沢里志(上川隆也)が赴任先のニューヨークから日本に帰国したところから物語は始まる。帰国した転勤先が名前も知らない関連会社と言う事で左遷と思い、働く気持ちも落ちていく。
また、帰国して戻った家には妹がいて、そこには5年前に分かれた彼女、梨田紘未(西山繭子)がいた。
と書いてから、きみがいた時間 ぼくのいる時間のサイトを見ると、空港だったようです。
仕事に身が入らなくなった秋沢里志とその彼女梨田紘未との出来事を中心に物語が進んでいく。
SFと言うこともあり、場所と時間の異動が激しい、そして、タイムマシーンが大きな要素を占める演劇であったため、それをどう演出していくか興味深かったが、秋沢里志の妹をうまく使いながら、超高速に舞台は進んでいく。
思わず心の中で、うまい!!と叫んでしまった。
シームレスに時空が動いていくのは、見ていてとても心地よい。
一歩間違えば感情が離れていくのを、相当にうまい演出で違和感なく進められていった。
芝居の詳しいストーリーはここでは話しませんが笑いと感動と涙で包まれた素晴らしい舞台でした。
演劇の良さって何でしょうね?
僕にとっては、その見ている芝居と言うのは、もう二度と見られないものだと言うのがあります。
役者さんたちが、その時に対して真剣勝負で見ている観客に臨んでいることだと思っています。
その真剣さが伝わるから、演劇はいいのです。
そして、その時間と場所を演技者と僕たち観客が共有するからいいのだと思います。
今回の、
きみがいた時間 ぼくのいる時間
上川隆也さんはさすがにうまいし
西山繭子さんもとてもよかったです。
それから、脇を固めたキャラメルボックスの方たちも素晴らしいです。
「時間」というのがテーマだったこの芝居。
できたら、もう一度見に行きたいと思います。
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すっかりここまで書いて、アップしたあと、キャラメルボックスとはを読んでいました。
そこには、こう書かれていました。
作品は、一言でいえば ファンタジー。 SF、時代劇、ラブ・ストーリー、どのジャンルにおいても、日常の中で非日常的なことが起こるのがキャラメルボックス作品第一の特徴です。これを「笑って、興奮して、感動して、泣ける」芝居にしているのが、息をもつかせぬスピーディーな展開と、ミュージカル並に音楽を重視した演出。そして、手に汗握るクライマックスと、大きなカタルシスをもたらすハッピーエンドのラストシーン (“ハッピー”と言い切れない場合もありますが)。
そうなんですよね。
まさに、
「笑って、興奮して、感動して、泣ける」芝居
なのです。
そして、カタルシスです。
久しぶりに「カタルシス」と言う言葉を見ました。
良いですね、カタルシスは。
「キャラメルボックス・サポーターズ・クラブ」に入らないと!!