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おもしろく こともなき世を おもしろく

いやあ、サッカーっておもしろい!・・・サッカーは布陣が重要だった

先のサッカーワールドカップで、確か中田英寿が、「3バックとか4バックとかはどうでもいいこと。要は戦っている選手がどうするかだ」と言うようなことを言っていたような気がする。

ぼくは、その話を聞き、所詮サッカーにおいて決まったポジショニングなどなく、試合が始まれば、ピッチに立つ選手のイマジネーションで決まるんだなあと言うようなことを思っていた。

それは、野球というのが決まったポジションで、しかも1球1球監督のサインで動かされていることとは対極にあるんだなあと思っていた。

プロスポーツの監督の中で、試合中に一番重きをなすのは、プロ野球なんだなあと思っていた。試合が始まると、サッカーとかラグビーは絶えずボールが動き続けるし、ラグビーの監督なんて試合中は観客席で見るしかないので、サッカーもそれと似たり寄ったりと思っていた。

ところが、この本。

4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書 343)4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書 343)
杉山 茂樹

光文社 2008-03
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を読んでいくうちに、今までのが単なる固定観念に過ぎず、サッカーと言うのが全然違うものだと分かってきた。

監督とは、

監督がオリジナリティを発揮する機会が、サッカーを上回るものがあるだろうか。監督の力量がピッチの上に反映する割合において、サッカーは他競技を大きく凌駕している。
野球を例に取ればわかりやすい。選手の能力や調子は、豊富な個人データを見れば一目瞭然。投手ならば勝ち数、負け数、セーブポイント防御率・・・。野手ならば、打率、本塁打数、打点、盗塁数、失策数・・・に着目すれば、おのずと先発メンバーの名前は浮かび上がってくる。日本代表を編成しても、監督とファンとの間に見解の相違は見いだしにくい。データが得点数をアシスト数ぐらいしか存在しないサッカーとの決定的な差である。
ジーコからオシムに代表監督が替われば、メンバーも大幅に入れ替わる。これがサッカーというスポーツの常識だ。
布陣を野球と比較してみれば、それぞれの差はより顕著になる。野球は投手一人、捕手一人、内野手4人、外野手3人の構成だ。「1−1−4−3」の布陣に変化は絶対に生じない。
(略)
野球はどの試合でも、どんあ相手でも、内野手、外野手それぞれの数に変動はない。少なくとも監督は布陣の選択に頭を痛める必要はない。「野球は布陣でするものではない」のだ。
(略)
サッカー監督はその逆だ。オリジナリティを発揮してなんぼ。潜在的にそれが義務づけられた職業である。自分好みの選手を、自分好みの布陣に当てはめ、駒のように操る。布陣は細かく言えば十数通りある。

長く引用したが、これがサッカーの監督がいかに独創性を求められているかである。こう読んでいくと、サッカーの監督はすごいと思う。

そして、布陣というのがいかに大事かと言うことが分かってくる。


4−4−2
4−4−1−1
4−2−2−2
4−3−3
3−4−1−2
3−3−2−2
3−4−3

などなど布陣は相当にある。

トルシエが日本代表の監督をしていた頃、3バックの布陣を取っていたけど、3バックが守備的と言うことが全く分からなかった。4バックと言うのは、バックスが4人もいるから、これの方がよっぽど守備的だと思っていた。
ところが、トルシエの頃の3バックは、すぐに5バックになるという宿命があった。5人もバックスがいれば、点は取られにくいけど、点も取れないという。おもしろくない布陣となる。

その当時も、韓国は。4バックを取り超攻撃的であった。

ということが、今更に分かった。

これが、もっと早く分かれば、サッカーの試合を見る目は大きく変わっていたと思う。


この本は、まだ半分しか読んでいないけど、おもしろいので途中で書評を書いてみた。


最後まで読んで、日本代表の布陣を自分ながらで作ってみたくなった。

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