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天皇の権威を利用する中国

朝日新聞12月12日の記事

天皇会見 首相が特例措置
期限後に宮内庁

岡田克也外相は11日の記者会見で、中国の習近平国家副主席が天皇陛下と会見することを明らかにした。15日午前の予定。宮内庁は陛下の体調面での負担を避けるため、外国要人と会見については1ヶ月前までに打診するように外務相に求めていたが、今回外務相から打診があったのは1ヶ月を切った11月26日。官邸側からは首相からの指示だとして、「日中関係の重要性にかんがみて」と強い要請があったという。宮内庁羽毛田信吾長官は11日午後、急きょ報道陣への経緯説明の場を設け、憲法下の象徴天皇のあり方にかかわる問題だとの懸念を表明した。


MSN産経ニュース

特例で中国副主席と天皇陛下の会見要請
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/091211/imp0912111331002-n1.htm

中国の習近平国家副主席
中国政府が14日から来日する予定の習近平国家副主席が天皇陛下と特例的に会見できるよう日本側に求め、鳩山由紀夫首相が実現に向けて平野博文官房長官に指示を出していたことが11日明らかになった。日本政府は、外国要人が陛下との会見を望む場合、1カ月前までに文書で正式申請するよう求めており、各国は基本的にこの「1カ月ルール」を守っている。
  

YOMIURI ONRLINE
天皇陛下と中国要人会見、首相が特例で実現指示
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091211-OYT1T00713.htm

平野官房長官は11日午前の記者会見で、中国政府が14日に来日予定の中国の習近平国家副主席と天皇陛下との特例的な会見を求め、鳩山首相が会見を実現するよう指示していたことを明らかにした。

政府関係者によると、外国要人と陛下との会見については原則として1か月前までに相手国が文書で申請するのが慣行だが、中国側からの申請は1か月を切ってからだったという。


ロイター
中国政府、特例で天皇会見を要請
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2009121101000120

中国政府が14日の習近平国家副主席来日に向け、所定手続きを経ずに天皇陛下との会見を特例的に認めるよう日本側に求めていることが11日判明。複数の日本政府関係者が11日、明らかにした。外国要人と陛下との会見には1カ月前までの文書での正式申請が前提。中国側からの申請は11月下旬だったが、鳩山首相は民主党小沢幹事長らの働き掛けを受け、9日に平野官房長官に会見が実現できないか検討を指示したとされる。


天皇陛下との会見と言えば、最近ではアメリカのオバマ大統領の会見が記憶に大きく残ります。

初訪日したオバマ米大統領は、11月14日に皇居で天皇、皇后両陛下と面会した時に、約90度に腰を曲げ深々とお辞儀していました。
これに対しては、「低姿勢過ぎる」と米ニュースサイトで物議を醸していました。保守系FOXテレビは15日、外国の要人に頭を下げるのは「米国の大統領として不適切」と批判しています。


日本のネットでもこの事は話題になりましたが、天皇の権威というのは世界的に見た場合非常に高いものだとの記載が多く見られたのも事実です。

カナダのサイトで外国の要人の位置づけが出ていますが、それによると
http://www.pch.gc.ca/pgm/ceem-cced/prtcl/address4-eng.cfm

(1)天皇 (呼称:陛下)
(2)キング (呼称:陛下)
(3)クイーン (呼称:女王陛下)
(4)プリンス/プリンセス (呼称:王子、殿下)
(5)共和国大統領 (呼称:閣下)
(6)アメリカ合衆国大統領 (呼称:閣下)
(7)内閣総理大臣 (呼称:閣下)
(8)大使

こう言う感じ。天皇が最上位に位置づけられています。

これに法王とかを入れた序列なんて言うのが必要なんでしょうね。


天皇というのは、万世一系を1500年以上も守り今に続くという王家の家系です。
世界を見渡しても、こんなに長い間続いているところは他にはタイの王室ぐらいしかなかったように記憶しています(これは曖昧です。他の国かも知れません)

この長さに比べるとアメリカなんてたかが200年の歴史しかないのですから、日本人は皇室をもっと誇りましょう。


さて、話は中国要人の天皇会見に戻ります。

この時期に中国から副主席が来て天皇への会見を無理強いして、それを民主党(新聞の記事からでは小沢一郎の強い働きかけがあったようですが)の鳩山首相から岡田外相を通じ宮内庁に強く要請したことから実現したと言うことです。

宮内庁が言う1ヶ月ルールと言うのは、説得力があるかどうか分かりませんが、ほんの1ヶ月ほど前に来日したオバマ大統領の誠意のこもったお辞儀が記憶に残っていて、そのオバマがノーベル平和賞を受賞したタイミングで、そして、日米間では沖縄の普天間基地でもめている時に、中国の副主席が天皇にどうやって会うのかが気になるところです。

少なくとも、お辞儀はそんなにすることはなく、その光景から

中国副主席>日本の天皇>アメリカ大統領
少なくとも
中国副主席=日本の天皇
になれば、
中国主席>日本の天皇
となるわけですから、この会見が天皇を利用した中国とアメリカの権威付けとかに使われなければいいのですが、といらぬ不安に駈られます。

日米間がうまくいってないこの時期だから気になる、中国による天皇の政治的利用です。

政治的には難しい時期だと思うので、民主党こそ宮内庁の1ヶ月ルールを理由に断れば良かったと思うのですが。