「前兆はあった。でも……」T・ZONEの廃業に周辺ショップは落胆
2010年11月30日昼。秋葉原のPCパーツショップ密集エリアは普段のように賑わっていたが、T・ZONE.PC DIY SHOPのシャッターは閉じたままだった。入り口にはトラックが横付けされ、周囲には指示を待つ運送スタッフや、口を押さえてどこかに電話をかけるスーツ姿の男性、シャッターに2枚並んだ張り紙を眺める歩行者、そして私服のまま店舗を眺める同店のスタッフ数名がいた。その中にいたある店員は「なにしろ突然でした。いちおう“上”からは11月25日の時点で『30日の朝に全員集まれ』と指示があったので予感はありましたけど……」と語る。
アキバの代表的なPCパーツショップの1つとして注目され続けたT・ZONE.PC DIY SHOPの歴史は、こうして幕を閉じた。
T・ZONEは、最盛期には札幌から福岡の博多まで店舗を構えていた。
♪ティティーティゾーン
と言う歌まであった。
CMもしていた。
僕は、ここでPC110という小さなパソコンを2台買った。
PCエクスポが、幕張メッセで大々的に行われていた頃、ショップとして出店していて、一緒に出ていた他の店と値下げ抗争を繰り広げて面白かった。
ところが、いつの間にか一店また一店と減り、アキバだけになってしまった。
秋葉原と言えば、このT・ZONEとTwo-Topと若松通商とBlessが僕のお気に入りの店で、たまに九十九電機に足を運ぶと言う感じだった。
最近しばらくぶりに行く秋葉原は、全くその様相は変わり、ごみごみした怪しいパソコンの街という感じはなくなった。駅前の再開発がそれを象徴すると思うが、昔を知っている身としては悲しいなあとも思う。
T・ZONE。
サードウェーブに譲渡されることが決定し、PCパーツショップ「ドスパラ PCパーツ館(仮称)」に生まれ変わるそうだ。