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おもしろく こともなき世を おもしろく

毎回、涙涙のドラマ「とんび」

このクールで見ているドラマで一番感動しているのが、日曜日の夜に放送されている、とんびです。
一番見ているといっても、見てるドラマは他には、八重の桜とミエリーノ柏木なので、どんだけ面白いかは客観的評価はできませんが。

とんびは、昭和の良い時代の、父親と息子の物語です。
今は、もう見られないような、人情が見られるストーリーになっています。
あらすじは、こうです。


時代は、昭和47年(1972年)。
舞台は海が見える西国の小さな町。
トラック運転手のヤス(内野聖陽)はもうじき子どもが産まれることもあり、ご機嫌で歌を歌いながら仕事に励み、大好きな酒や博打も絶っていた。それでも仕事が終わると姉のような存在のたえ子(麻生祐未)が切り盛りする居酒屋・夕なぎへ行くのがヤスの日課だった。
幼い頃に母親を亡くし、父親にも捨てられた自分にも、今は大好きな妻がいて、子どもが産まれるということに自分自身が照れてしまい、家に帰る前に一呼吸置こうと夕なぎに顔を出すのだった。だが、幼馴染の照雲(野村宏伸)らにからかわれ、短気なヤスはイライラして店を出て行く。
アパートの前に着いたヤスが緊張を振り払おうと咳払いをして階段を上ると、音でヤスが帰ってきたことに気付いた妻・美佐子(常盤貴子)が家のドアを開ける。
家の中には、ちゃぶ台にあふれんばかりのおかずが並べられている。勢い良く食べるヤスを幸せそうに見る美佐子もまた、ヤス同様に幼い頃に両親を亡くし、親戚の家で育てられたため、遠慮して満足に食事ができず、おかずを山ほど並べて家族で食事をすることを夢見ていたのだった。
 

2人はヤスの母親のお墓がある薬師院へと向かう。
ちゃんと拝む美佐子に対して、ヤスは墓地のはずれでタバコを吸っているだけ。そんなヤスの元へ、照雲の父親で薬師院の和尚・海雲(柄本明)がやってきて「神様にはたくさんの人がお祈りするから忘れられてしまうかもしれない。最後に頼りになるのは身内だけだ」と諭されると慌てて拝むのだった。
その帰り道、階段に2人で座り海を見ながら語り合う2人。突然陣痛が始まり動けなくなった美佐子を、ヤスは抱えて産婦人科に運ぶ。
生まれた子の名前は、小林旭から旭と名付けられる。幼い頃から親というものを知らずに育ったヤスと美佐子は、愛する息子・アキラを必死に育てながら、幸せな日々を噛み締めていた。

そんな温かな年月が3年流れ―― 
アキラが3歳になった頃、休日にヤスが1人で職場で働いていると、「おとしゃんの会社が見たい」というアキラを連れて美佐子がやってくる。
その日の朝、些細な事でケンカをしてしまった3人だったが、そこで「日本中をトラックで一緒に回ろう」と大きな夢を話すのだった。
そして、再び仕事に戻ったヤスだったが、タオルを忘れていることに気付いたアキラがそれを届けようとヤスのもとへ駆け出すと、プラットホームに不安定に積まれた木箱にタオルが引っかかってしまい、アキラの上に積荷が崩れ落ちてくる。
咄嗟にアキラをかばった美佐子は木箱の下敷きになってしまい――。
帰らぬ人となった美佐子。
ヤスとアキラ、2人だけの親子の話が始まる。

6歳になり保育園に通うアキラ(荒川槙)を、たえ子が迎えに行くと、周りの子どもたちのお迎えに母親が来る姿を見て、どこか寂しそうな表情を見せていた。
母親がいないことで寂しいと思うアキラとヤスは一緒に銭湯に行くと、番台のおばちゃん(青木和代)から「アキラに母親を作ってやれ」と見合いをすすめられるが、「今さらいるか!」とつき返す。
風呂に入ったアキラは「保育園で家族の絵を描くことになったからお母さんの写真を貸して欲しい」とヤスに告げる。
その帰り道、両親に手をつながれて歩いている子どもを見たアキラは、ヤスと手をつないでいない手をそっとポケットにしまうのだった。
翌日、保育園で美佐子の写真を見ながら絵を描いていたアキラは、周りの子供たちに写真を回し見され、不安になって1人の男の子と喧嘩をしてしまう。
喧嘩を先生たちに止められるが、寂しさや不安な気持ちでいっぱいになり、美佐子の写真をビリビリに破いてしまう。この事件からアキラがおねしょを繰り返すようになり、母親が欲しいのかと思ったヤスはお見合いすることを決意する…。
写真のことで喧嘩になったアキラとその同級生。
喧嘩の後、その子の親が現れる。最初は、詫びていたヤスであったが、逆に怒り出す。アキラを信じるヤス。
見合いは結局不調に終わる。そして、やはり、父と子、2人の生活に収まる。

アキラ(福崎那由他)が11歳の5月。夕なぎで酒を飲むヤスは、たえ子らから父親らしくキャッチボールぐらいやってやれと冷やかされるが照れて拒む。
そんな中、会社の後輩・葛原(音尾琢真)から、アキラの小学校が選抜チームを作って他校と野球の試合をすることになっていることと、アキラが転校生にエースの座を奪われてしまっていることを聞き、練習に付き合おうとするがアキラの姿がどこにもない。
ヤスが必死で探す中、アキラは高校時代に野球部だった照雲と2人で練習をしていたのだった。
親子のように練習する2人の姿を見たヤスは、アキラが嬉しそうに上達したことを報告しても、愛想の無い返事しかできないでいたのだが…。

ヤスは、11歳のアキラが自分に内緒で照雲や社長(ベンガル)らに母・美佐子の事故の真相について聞いてまわっていると知り驚きを隠せなかった。
その一方で、たえ子がある男から「娘に会ってやってほしい」と言われていた、との噂を聞く。
たえ子に娘がいるとは知らなかったヤスはその事実を聞こうと夕なぎを訪ねるが、逆にアキラに事故の真相をそろそろ話した方がいいのではと言われ、本当の話なんてできないとさらに悩むことになる。
その時、ヤスの元に、たえ子の元夫・肇(小林隆)と娘・泰子(徳永えり)が訪ねてきて、たえ子と会えるように協力してほしいと言われ…。

平成元年。入院している海雲の見舞いにヤスは毎日のように病院に通う一方で、アキラ(佐藤健)は高校の野球部でレギュラーを決めるテストを控え、一度も顔を出せずにいた。
ある日、ヤスは照雲から実は海雲が癌で先が長くないために、アキラに意識のあるうちに会いに来るよう頼まれる。
ヤスは見舞いに行くよう頼むのだが、「今は野球の練習が大事だから」と断るアキラ。
そんなアキラの一方的な態度にヤスは腹を立ててしまう。
悩んだヤスは、アキラを見舞いに連れて行こうと野球部の練習を訪れると、偶然にも後輩・山本(大内田悠平)らの尻をバットで叩くアキラの姿を目撃してしまう。
止めようと駆けつけたヤスはアキラと言い争いになり、思わずアキラを殴ってしまう。
最後の最後、アキラは海運に会うことができた。

平成2年、冬。
ヤスは、家から通える地元の国立大学を受験すると言っていたアキラから東京の早稲田大学を受験したいと伝えられる。
はじめはアキラが早稲田を受ける事を喜び、たえ子や照雲、社長らに自慢するヤスだったが、「東京に行ったら戻って来ないのではないか」という葛原の言葉を聞いて一転、ショックを受けてしまう。
そしてある夜、些細な事でアキラと口論になってしまったヤスは「行きたいんだったら勝手に東京に行け!」と言い放ってしまう。
翌朝、家にはアキラの姿はなかった――。
アキラは、家に戻らない間、照雲の家にいて勉強をしていた。

平成4年。
東京で大学生活を送るアキラから電話で「雑誌の編集部でアルバイトをしていて、将来的には雑誌の編集者になりたい」とはじめて明かされたヤス(内野聖陽)。
法学部で法律を学んでいるアキラは弁護士になるものだと思っていたヤスは、編集者になることを認めないと激怒して電話を切ってしまう。
怒りが収まらないヤスは、面と向かって話をしようと考えている矢先、アキラが働く編集部から仕事中にアキラに怪我をさせてしまったという謝罪の電話が入る。
アキラのことを心配するも、東京に行くことをためらうヤスの代わりに照雲がアキラの様子を見に東京を訪れることになり…。
病室を訪れた照雲は、海運から渡された手紙を渡す。そこに書かれたものは・・・

平成8年。
ヤスは、ヤスの父親の息子と名乗る島野(内倉憲二)から突然電話で「父親が会って詫びたいと言っているので、東京に来て頂けないですか?」と相談される。
父親とは50年近く音信不通でまさか生きているとも思っていなかったヤスは、何の感情も湧かず再会することを悩み、照雲らに相談するが、アキラと東京には行かない約束をしているため断ろうとする。
そんな矢先、たえ子から幼い頃の話をされて東京に行くことを決意し、葛原が運転するトラックに同乗して島野のもとを訪れることに…。
父と会うヤス。病院のベッドで寝ている父親に対し必死のこれまでの自分のことを話す。何も恨んでいないと。

平成10年。
ヤスはアキラから「結婚したい人がいるから会って欲しい」と相談される。
その女性が年上で慶応大卒の美人と聞き、たえ子や照雲ら町中の人に自慢して回るヤスは、きっと美佐子に似ている女性に違いないと上機嫌。
しかし帰省当日、アキラとともに現れた由美(吹石一恵)を見て、年齢が予想以上に上であり、美佐子にも似ていないことにヤスは機嫌が悪くなってしまう。
その様子に耐えられなくなった由美は、アキラより7歳年上であるだけでなく、離婚経験があり子供もいることを打ち明けると、ヤスは結婚に猛反対。
言い争いになったアキラは由美を連れて東京に帰ってしまう。
一人、由美は、ヤスのいる町に戻る。そこでヤスに結婚のことを直訴する。
結婚を許される2人。


それこそ、毎回見ていて号泣状態ですが。
今日が最終回。

ヤスとアキラ、2人はどうなっていくのでしょう。

平成も20年を超えて、昭和の良さを再認識させる映画とかドラマがあったりします。
昭和世代バリバリの僕としては、その昭和の時も昔は良かったとかいう話を聞くことも多く、結局は懐古趣味ではないのか、そういうのってと思っていたこともあります。

電話が一人一台当たり前になり、ネットで時間も気にせずコミュニケーションできる時代ということで、コミュニケーション一つとっても、全然昭和と違います。

とんび、見ていると、気持ちは手紙で伝えるんでしょうとか、話さなくてもいいから、面と向かって気持ちを伝えるんだうと思ってしまいます。

こういうことを書いていくと、昭和って良かったんだなあと思います。
  

4043646070とんび (角川文庫)
重松 清
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-10-25

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