テレビで見た方が先なので、テレビとの差などを。
ほぼ原作に沿った内容でした。
大きく違うのは、帝国重工の社長は小説では最後にしか出なかったことと、娘の莉菜もそんなに出なかったことぐらいです。
この小説の主題はメーカーとは何なのか?です。
ものを製造して売るのが本来のメーカーであり、中小企業に対し裁判を仕掛け、弱めて子会社化するとか、特許料で稼ぐとか、そういうのは本来のメーカーではありません。
佃社長が言うのは、企業とは1階部分は食べるために稼ぐもの。
それだけでは窮屈なので、2階部分に夢を置くことと。
将来の夢を実現するための研究開発部門を置き、今日のおまんまのために営業と製造部門を置くと。
佃製作所は、社員に対しあけっぴろげです。
物凄いオープンな環境です。
社長に向かって物おじせず自説を言う若手社員がいます。それが社長がやろうとしていることに反対の意見でもです。
夢を追う社長に対し、もっと現実を見てくださいと言う社員。
反発しながらも、帝国重工の理不尽な対応に対し、プライドに火が付きます。
佃品質
佃プライド
です。
このわずか8文字に佃製作所の良さが凝縮されています。
何度も逆境にたたされる佃製作所ですが、それをはねのけていきます。
そして、佃製のバルブがロケットに搭載されます。
日本のメーカーに対する強烈な応援歌のような書物でした。