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東京都杉並区立和田中学校の夜スペについて考える

東京都杉並区立和田中学校が中学校の中で行う塾。夜スペシャル(夜スペ)と言うそうです。

日本の学力低下
学力低下へ自治体躍起
学力低下への不安が広がっている。経済協力開発機構OECD)の5年前の調査で読解力などの低下が判明。これをきっかけに「全国学力・学習状況調査全国学力テスト)」が始まるなど、国は対策に躍起になっている。各自治体でも、独自問題集の作製や「教師力」の向上など、あの手この手で子供の学力向上を図ろうとしている。


日本の15歳“学力トップ”陥落…41か国・地域調査
これは、少々古く2003年の話ですが

2000年に続く2度目の調査で、日本は前回8位の「読解力」が加盟国平均に相当する14位に落ち込み、1位だった「数学的応用力」も6位に順位を下げた。文部科学省は「我が国の学力は世界トップレベルとは言えない」と初の認識を示し、来夏までに読解力を向上させる緊急プログラムを策定する。

ということを言いながら、日本のゆとり教育が悪かっただの何だのと言って、それまでの教育のあり方を批判する。

批判しておきながら、それを改善する方策を提示しないマスコミ。


そこに現われた、民間企業から公立中学校の校長になり教育改革を進める東京・和田中の藤原校長。


教育と言うのも、今や画一的なものではなく、民間企業の精神を持った競争力と言うことを考えていく教育者の方が正しいと思います。

教育に平等と言うものはありません。もうずっと昔からお金持ちのほうがしっかりとした教育を受けることができるため、いわゆる有名大学へ進学します。それは、東京大学の親の年収が一般的な親の年収より全然高いということからも明らかです。

ところが、教育と言うのは平等にという前提と言うのも確かにあります。これは、江戸時代から続く日本と言う国の美徳でもあります。

日本と言う国はその昔から、文字を読む・書くという人が全人口に占める割合が圧倒的に高かったと言う歴史があります。これは世界に誇っていい事実です。

文字をまともに読めるということが当たり前と言うのは、世界的に見ても驚くような実態です。

ところが、表があれば裏があるように、これが当たり前だと、もっと上の教育まで平等が当たり前だと思います。

そこで、どうするかと言うと、成績が平均より下にあわせた教育がもてはやされるようになります。すると、全体の学力は低下します。当たり前ですね、平均より下にあわせた教育をするともっと上にいける人も、その教育を受けられないので、上昇が止まります。

すると、もっと上の教育が受けられる私立学校に子供は流れていきます。私立は、一般的に授業料が高いので、ここで、お金持ちと貧乏の差別が始まります。

さらに、塾と言う存在があります。塾と言うのは、かなり高いです。すると、ここでも差がついてしまいます。

こういう荒い世界の中に公立中学と言うのはあります。すると、公立中学が対するものは隣の公立中学校ではなく遠くの私立中学校であり近くの塾となります。

公立中学校で高度な教育ができると、これまで言った差別と言うのが緩和されます。もともと安い授業料で言っている学校にそういう施設ができたら、高い教育を受けられる範囲と言うのが広まります。

そこまで考えとこの東京・和田中の藤原校長がやっている中学校の中での塾と言うのが、どれだけ凄いものか分かるはずです。

中学校に塾があると言うことは、塾の立場からすると、ビルを借りる賃貸料を払う必要がなくなるので、塾と同じことをやっても安い塾の授業料ですみます。安い授業料にすると、今まで塾に行けなかった人までいけるようになります。

高度な教育が(ここで言う高度と言うのは、偏差値が高い高校に行けるための勉強のことを言っています)受けられる範囲が増えます。これは、教育の平等と言うものに近いことをやっていることになります。

民間企業にとっては、企業が勝ち残るための大きな要素の一つが、他社との差別化です。
ここまで、書いて分かるのは、東京・和田中がやろうとしていることは、できるだけ安価に高度な教育が受けられる環境を提供していることと、他がやっていないと言うことの差別化です。

こういうことをやっている教育者がいるということは、日本はまだ捨てたものではないと思います。

ですから、この東京・和田中の藤原校長に対しては、応援しようではありませんか。