努力、根性、気合
上原ひろみさんが座右の銘にしている言葉です。
日本人では、今や世界で一番有名なジャズピアニスト、上原ひろみ。
本書は、彼女の2005年1月から7月の苗場までが書かれたドキュメントです。
私は、遅れてファンになった一人ですが、この本は瑞々しいです。
上原ひろみというピアニストの凄さが分かります。
ピアノを弾くことを人生の中心にとらえた生活。
大学時代もその生活は全くぶれません。
上原ひろみの大学と言えば、アメリカのバークレー音楽大学だから、ピアノが中心なんて当たり前と思いがちですが、その前に法政大学に通っています。
大学と自分の住居の線を最短にし、ピアノを弾く時間を作っていきます。
高校時代。
高校のエントランスにあったピアノを毎日昼休みに弾き続けたそうです。
ピアノを前にすると、恥ずかしさとか人の目とかは全く気になりません。
プロになる前も、努力を惜しみません。
大学での演奏に一人でも多くの人を集めるためにビラを有効に使います。
演奏を見に来た人は、みんな感動していくわけですから、最後の方は1000人ぐらい集まってしまったようです。
プロになってから活動の拠点はアメリカニューヨークです。
アメリカではツアーに出る時、チケットを取るのも先方で交渉するのも自分です。
過酷です。
日本では、まず起きそうもないことが起こります。
ジャズはアコースティックだろうと、一方的に決めつけている人がオーナーの店では、電子ピアノが使えない一歩手前までいきます。
上原さんの曲は、ノード・リードと言うシンセサイザーが必須です。これがなかったら成立しない曲があります。
ところが電源ないのですから、絶体絶命です。
いくら、契約書にシンセサイザー使うと書いていても、全く納得しません。
こういう状況も上原ひろみさんは切り抜けていきます。
それこそ、気合です。
文庫本では、その後の上原ひろみが少し語られています。
本書が書かれた後、起動したのがアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスを迎えたTHE TRIO PROJECTです。
このトリオで既に4枚のアルバムを出しています。
上原ひろみを、遅れて知った人はぜひ読んでほしい本です。