大西洋をまたぐ世紀の合併と言われた、ダイムラーベンツとクライスラーの合併。
それにより生まれたダイムラー・クライスラーですが、クライスラー株を投資会社に売却するとのことです。
僕が覚えていることなので、間違いも多々あるかと思いますが、それでも書くとすると、
ダイムラーベンツがクライスラーと合併しようとしたとき、アメリカのビッグ3、GM、フォード、クライスラーは、GM以外はかなり厳しかったのではないかと思います。特にクライスラーは、相当大変な時期で、ダイムラーとの合併は、どちらかと言うと、クライスラーの救済と言う図式が大きかったのではないかと思います。
実は、合併当時からこのことに対して懐疑的な意見も多くあったような記憶があります。会社としての文化が違いすぎるとか、全米自動車労組との関係とか、ダイムラーにとっては、いい買い物ではないのではないかと言う意見です。
ここで、もっと大胆な意見を述べたいと思います。
ダイムラーはドイツの企業です。一企業というよりドイツを代表する企業です。
クライスラーは、アメリカのビッグ3の一つですが、自動車と言うのは、いわばアメリカの国技みたいな産業です。
つまり、国と国を代表する企業が合併し、しかもダイムラーがクライスラーを飲み込むと言うことは、ドイツがアメリカを飲み込むと言うことです。
これは、何を意味するかと言うと、第二次世界停戦の敗戦国が戦勝国に勝つということです。
ですから、この合併が心情的にもうまくいくわけがないのです。
と言うことで、今回のクライスラー株の売却も当然の帰結点と言うことではないでしょうか。