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心地よく小気味良い「しょーとほーぷ」西山繭子

そう言えば最近、小説と言うものを読んでいないことに気がついた。読む本と言えば、Web関係か歴史関係かビジネス書。

昔は、小説はよく読んだ。

筒井康隆全制覇ということももくろんだ事もあった。

考えて見ると、一番最近よく読んだ作家と言えば、島田 荘司だけど、これでももう何年も前。

だから、小説の良さと言うのが分からなくなっているような気がする。


そんな感じで、遠ざかっていたが、久しぶりに小説を読んだ。

 
西山繭子の最初の長編小説である「しょーとほーぷ」がそれである。

西山繭子と言えば、最近書いた「やっぱり芝居が好きだ−3〜キャラメルボックス(きみがいた時間 ぼくのいる時間)」のヒロインを演じている女優である。


この「しょーとほーぷ」235ページの本であるが、一気に読めた。

本の帯にはこう書かれている。

「わたしを誘拐しませんか?」
夏の終わりの夕暮れ、不機嫌な小4少女と、へっぽこ3人組がであった。
”おかしくって、せつない。”

内気な少女”凛”がファーストフード店で啓太、晋、藤やんと言う3人組と会うところから物語りは始まる。

「私を誘拐しませんか?」と言う凛の一言から一気に物語りはハイスピードに展開していく。

家を出て行った、凛の父親。

チューキンにさらされる啓太たちのおんぼろ車。

いつの間にか、凛を乗せ4人で車に乗っていく。

誘拐??

そして、啓太の恋人?「沙織」。

出てくる登場人物が、とても小気味良く描かれていく。

ワクワク!

少し、どきどき

そして、ほろ・・・・・

と言う感じで進んでいく。


最後まで読んで見て、西山繭子と言う人は、うまいなあと思う。

物語としては、わずか8時間ぐらいの出来事だけど、その間に”凛”は大きく変わっていく。

そして、謎を全て明かすことなく終幕を迎える。


心地よく終わる小説である。



この小説「しょーとほーぷ」はオリコ携帯サイト”あそラボ”で連載されていた。

と言う事で、ケータイ小説ですね。

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しょーとほーぷしょーとほーぷ
西山 繭子

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