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会社がつぶれるときの気持ちってどういうものか?

なぜ会社は大きくすると潰れるのか


と言う本を読んだ、

これは、その潰れた会社、北海道の田中管工株式会社という北海道の中での規模としては2番目の建設設備会社の社長が書いたものである。

北海道2番目と言っても、最盛期に年商43億円の会社であるから、中小企業の一つである。社員は最大で80数名。

中小企業の会社が発展して、危なくなって、潰れていくという課程が詳しく語られている。

この作者である不破俊輔(田中忠昭)と言う人は、それまで数冊の本を書いているが、やはりプロの作者というわけにはいかず、語り口は素人だなあと思うところも多々ある。

ただ、そういうことを超える叫びというのを感じる。

有り体に言えば、魂の叫びである。


僕は、この書籍は、中小企業に特有のものとは思えない。世間でいう大企業にも十分思い当たるところがあるものと思う。

会社が本当に苦しくなったとき、リストラを断行する。

そこでは、簡単に言うと、社員の25%の首を切ることになる。

ところが、後になって思うと、25%は切る人数ではなくて残す人数ではなかったかと言うことに思い至ることになる。

リストラをするときは、思い切って非情にならなければならない。と言うことを言っている。

会社を立ち直らせるときの、リストラというのは、最悪のシナリオでやるべきだと思う。先延ばしにして何もいいことはない。


75%もの社員をカットすると、資金が回らなくなる。そのとき経営者に残された手段はリスケジュールしかない。経営者は勇気を出して銀行に掛け合うべきである。成功するかどうかは経営者の姿勢と銀行との関係である。私が取るべき会社存続の唯一の方法は、75%の社員数カットと資金のリスケジュールとのセットでいくことだった。後になってそう反省したものの、所詮それは後知恵だった。

また、給与を削減することが、どういうものかと言うことを語っている。

会社が潰れると思うことは、日本人にとっては、「縁起でもない」と言って考えることもいけないことかも知れないけど、そのときに備えるために、また、そうならないようにするためにも、読んでみることを勧める書である。

なぜ会社は大きくすると潰れるのかなぜ会社は大きくすると潰れるのか
不破 俊輔

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