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矢祭町の奇跡

何ヶ月に一度かテレビ朝日の日曜の午前中の番組で福島県矢祭町の特集をやる。

この町が有名なのは、平成大合併に対し叛旗を翻り、矢祭は合併をしないという、市町村合併をしない矢祭町宣言と言う宣言をしたことである。

これは、簡単に思うかもしれないが相当に凄いことである。僕の田舎もしっかり合併してしまう、8市町村が合併し(一つの町は隣の市に行ってしまったが)市になっている。

こうしないと補助金が削減されて行政ができなくなると言う言わば恫喝にも似たことを中央からやらされてしまったので、どうにもこうにも合併となったわけである。
 

 
これに対し、いきなり矢祭町は、合併宣言しないと言ってしまう。それも、平成13年10月31日のときである。

平成13年と言えば、まだ各市町村がどういう方向に進めばいいのか試行錯誤までにも至らない混沌とした時代である、お上には逆らえないと言う時代でもある。

ここで、矢祭町はいきなり勝算があるかどうかも分からない、合併しない宣言をやってしまう。

町長の反骨精神から、何も方法論もなく言ってしまったということで、自治体と言うより企業でもこんな破れかぶれ勝算なしで行っても誰も付いてこない。

ところが、この町はそれから奇跡が起こる。

自治体への補助金が削減されると言うことは、今までと同じように住民サービスをすると言う事は不可能であり、そのため、町の嘱託社員を削減する。

削減したため、トイレ掃除とかも町の職員がやることになる。町長室にはエアコンさえない。

こう言う行政が身を削り一生懸命にやる姿が、それから町民に伝播していく。

町の掃除に何人も名乗りだし、自分たちの力で町をきれいにしていく。

本来のボランティアが生まれていくのである。補助金とかがなくなったため、矢祭町では、図書館が作れなくなる。金がないからである。金がない、でも図書館が欲しい。それを何とかするため、建物は作るが本は買わなく寄付に頼るという暴挙にでる。本は寄付どころか送料も払えないので寄付してくれる人の自腹にしたしまう。

こんな図書館成功するわけないと、いろいろな自治体から反対されたり、やめてくれとか言われたらしいが、自分たちのことを信じ、そのまま進んでいく。

当初、町民の3倍である3万冊も集まれば成功と思っていたら、全国から本が集まる集まる。最終的には40万冊も集まったと言うことである。

40万冊のご寄贈を頂きありがとうございました。全国の皆様に心から感謝申し上げます。

凄いことである。こういう動きが全国に認められて善意が集まっていく。

苦労していることが見えて、それが本当だ分かると、いっぱい賛同する人が集まる。そうなることで今まで不可能と思われたことが実現する。

矢祭町のことを見ていくと、これは自治体のことではなく、破綻しかけている企業にとっても大いに見習うことがあるのではないかと思う。

自治体は自治体であるが、民間にまかせられるものは民間に任せる。

この矢祭町の図書館「矢祭もったいない図書館」は民間がやっている。これこそ、小泉さんが言っていた構造改革の模範だと思うのだけど。

翻って、僕が勤めている民間企業を思うと、思っていることをやらせる上と言うのは凄いし、これからどうしたら屋っていけるかと言うグランドデザインと破れかぶれでも正しいと言うことを判断できる経営と言うのは重要な要素である。

何とかしないといけないですね。


「矢祭もったいない図書館」は、全国どこの人でも本を借りられるらしいです。素晴らしいですね。とてもリアルな町改革ですけど、発想は、人をラジカルに信じるという今のWebの感覚が生きている町です。

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